第2話 異世界転移編 転移トラップ

「ひゃっはーっ! 残るはお前たちたけだぜ!」

「お助けをーっ!」

死の大鎌デス・サイズ!」

「ぎゃぁぁぁ~っ!!」


 最後にいた一人のNPCが死亡エフェクトと共に消えていくと、僅かな金額だけがドロップアイテムとして残った。


「しみったれてるなぁ」


 そんな感想と共に得た金銭をストレージに仕舞い込む。


「くそっ! やっぱりガセだったかぁ」


 町の住人を殲滅せんめつしても得たのは金銭だったり武器だったり、ポーションだったりと珍しいモノすら無かった。 勿論ステータスはピクリとも動いていない。


「しゃぁーねぇなぁ。 次はどうすっかなぁ」


 限界を突破するアテなんて無いし思い付かないので、町の外へ出ようとすると、足元に魔方陣が現れた。


「くそっ、転移トラップとか町の中に仕込んでいるじゃねーよっ!」


 すると転移が発動し、画面が切り替わる。


 全体的に薄暗く、その内何人かが何かを喚いている。


「jklsdfjl吸血鬼、sdfjlkj!」


 ん? 確かに私は吸血鬼だが、何を言っているのかが良く分からない。 それにしても、独自言語とかやり過ぎじゃないかな。


「riweoprip討伐eiqwpolk、qpwiekajd避難zm!」


 部分的に解釈できるのは、知能の値もカンストしているからであろう。 そんな事をぼぉっと考えていると、騎士風の男たちに取り囲まれていた。


 抜剣までして、私を討伐する気マンマンの様である。 良いだろう、付き合ってやるさ。


 私は死の大鎌を振るい、魔術を乗せる。


「ディメンジョン・スラッシュ!」


「うがぁぁぁ~っ! qpasjdlk、ewqomsda体zxcm」

「sajv逃げろzzxciohwreeq!」

「zxcnmqworun増援qewklasjfao!」


「ディメンジョン・スラッシュ! ディメンジョン・スラッシュ! ディメンジョン・スラッシュ!」


「うぎゃぁぁぁ~っ!」


 暫く惨殺ざんさつを繰り返すと、動くものが無くなった。 すると次の瞬間、脳内にアナウンスが流れた。


 ≪限界を突破しました。 種族を『真姐』から『初まりの吸血鬼』に変更します。≫


「えっ、何? ステータス・オープン!」


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 名前 : ルビー・サファイア

 種族 : 初まりの吸血鬼(オリジン・ヴァンパイア)

 性別 : ♀

 レベル: 1

 体力 : 1,001,000

 魔力 : 1,500,000


 筋力 : 1,024 + 666

 持久力: 1,024 + 666

 賢さ : 1,024 + 333

 器用さ: 1,024 + 333

 素早さ: 1,024 + 333


 攻撃力: 1,200,000 + 1,600

 防御力: 1,001,000 + 3,400


 スキル: ストレージ、鑑定、筋力強化、持久力強化、詠唱破棄、魔力操作、魔力循環、魔力纏、魔術威力強化(大)、魔力自動回復(大)、再生(大)、聖魔術無効、日照無効、聖水無効、血流操作


 取得魔術: 火炎系列魔術、爆裂系魔術、雷系魔術、水系魔術、土系魔術、風系魔術、死霊魔術、空間魔術、…etc


 称号: 『デイライト・ウォーカー』、『人に仇なす者』、『無慈悲なる者』


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 血液が脳内をいずり回り、ヤバい脳汁がバンバン出る。 出まくってしまった。


「きっ、キタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーッ!!」


 あっ、興奮しすぎて鼻血が出てしまった。 うん、いかんいかん。 少し落ち着こうか。


 あれっ? 何でアバターなのに鼻血が出るの? んんっ? 周囲の暗さに目が慣れてきたので、私が倒した騎士たちを見てみる。


 えっ? うわぁ、グロイ。 ゲームのレーティングは15じゃなかったっけ? 大丈夫なの? 両断された断面とか、ちょっと細か過ぎない?


 うーむ、普通なら死体は消えてドロップアイテムになるハズなのに、その様子も無い。


 おかしいな。 バージョンアップとかパッチを適用した覚えも無いんだけど、リアルと言うか何と言うか。


 私のアバターは黒ゴスロリなんだけど、血で床が滑ること滑ること。 どうなってんのコレ? もしかして物理演算? やり過ぎじゃね?


 そりゃぁ殺したらドロップアイテムに変わる事自体が不自然って言えば不自然だったんだけど、死体漁したいあさりはちょっとなぁ。


 まぁ良いや。 死体とか全部、ストレージに入るものは入れておくのが正解かな。 いざとなったら、ストレージの分離機能でアイテムに分割出来るハズだし。


「それじゃぁ、【収納】っと!」


 おおぅ、地面に広がった血は収納出来ないんですね。 地味に面倒くさい。


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