VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~
かんら・から
異世界転移編
第1話 異世界転移編 蹂躙、殴殺!
「あのクソ課長がぁぁぁ~っ! 金曜の終業間際に急ぎの仕事なんか持って来るんじゃねぇよぉぉぉ~っ!」
私は帰宅後にお風呂と食事を済ませて、とあるVRMMOゲームにダイブしていた。
世界観は一般的なRPGに見られる様な中世ヨーロッパ的な、所謂剣と魔法のファンタジーである。 とは言っても風呂があったり屋台があったりして日本風な印象すら受ける世界なのだが。
RPGと違うのは、生産職を選べたり商人を選べたりするなど自由度は非常に高く、勿論冒険者だって選べてしまう。 しかも種族やモンスターまで選べるので、進化可能な種族を選ぶとやり込み要素は満載である。
例えばゴブリンを選んでゴブリンロードまで進化させると配下に大量のゴブリンを従える事が出来て、自分で町や村を襲うイベントなんかも作成出来てしまうのだ。
中にはオークを選んで、女騎士を専門に狙う『くっころ連盟』なんてワケが分からない連中もいるが、大半のユーザーは人間か亜人を選んで冒険者になるのが一般的である。
そして私の場合はちょっと特殊だ。
「ステータス・オープン!」
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名前 : ルビー・サファイア
種族 : 真祖(トゥルー・バンパイア)
性別 : ♀
レベル: 999
体力 : 999,999
魔力 : 999,999
筋力 : 999 + 666
持久力: 999 + 666
賢さ : 999 + 333
器用さ: 999 + 333
素早さ: 999 + 333
攻撃力: 999,999 + 1,600
防御力: 999,999 + 3,400
スキル: ストレージ、鑑定、筋力強化、持久力強化、詠唱破棄、魔力操作、魔力循環、魔力纏、魔術威力強化(大)、魔力自動回復(大)、再生(大)、聖魔術無効、日照無効、聖水無効、血流操作
取得魔術: 火炎系列魔術、爆裂系魔術、雷系魔術、水系魔術、土系魔術、風系魔術、死霊魔術、空間魔術、…etc
称号: 『デイライト・ウォーカー』、『人に仇なす者』、『無慈悲なる者』
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オーケー、オーケー。 言いたい事は分かるつもりだ。 最初はノリ気じゃ無かったし、アバター名は適当に付けたモノだ。
だがやっている中で、考えが変わってしまったんだ。
その結果、ダンジョンを周回したり『知恵の実』とか『力の実』とかを乱獲しまくった。
ついでに言えば、コスメ代を課金アイテムに変換したのも認めよう。 なんならPKしちゃったのも認めよう。
だが諸君、数字があれば上げたくなるのが人情ってモノだろう? 原に今は、「ある町を
まぁ殲滅と言ってもNPCが大半だし、扉などの一部のオブジェクト以外は非破壊オブジェクトで出来ているから、チマチマと民家の扉を破壊しては中の住民を虐殺するという実に面倒この上ない事をしているんだけど。
よし、次の扉だ。
「えいっ!」
私は
決まっているモーションに文句を言っても始まらないので、部屋の中を探索する。 すると隅っこで抱き合っている親子たちを発見した。
「いっ、命ばかりはお助けをっ!」
「パパー、ママー! 怖いよぉ!」
「お願いします。 娘だけでも見逃して下さい!」
こんな事を言っているが、こいつらはNPCで台詞はAIによって自動生成されたモノだ。 だから当然見逃すハズもなく。
「死ねっ!」
死の大鎌によって、一家は両断された。
うーむ。 結構な数の住民を殺したハズなのだが、ステータスはピクリとも動かない。 やはりガセだったのだろうか?
「そこまでだ、ルビー・サファイヤ! お前の悪逆非道な行為は、俺たち『白銀の翼』が止めさせてもらう!」
「うげぇ、うぜぇー」
そんな私に話し掛けてきたのは冒険者パーティーの『白銀の翼』だ。 いるよねー、こう言った正義マン。
「邪魔をしなければ、見逃してやるぞ?」
「今度こそ、お前の蛮行を止めてみせる!」
彼らは至って真面目なのだ。 噂では私は冒険者ギルドで指名手配されてるっぽいし、懸賞金だってそれなりにあるらしい。
でもなぁ、こう言っちゃ何だけどコッチは最強のビルドだよ? どうやって勝つツモリなんだ?
プレイヤー・スキルも相まって、下手なレイド・ボスよりも強い自信がある。 それをたった一つのパーティで何とかしようってのだから、頭を疑ってしまうレベルだ。
「リベルっ、バフを頼む!」
「あいよっ! 【身体強化!】 【防御力強化!】 【俊敏強化!】」
「ディメンジョン・スラッシュ!」
「うぎゃぁぁぁぁぁ~っ!」
「…………、全滅してるじゃん…」
本当に、何がしたかったんだろう? あっ、ドロップ・アイテムだ。
「えーと、腕力強化の腕輪にお金が少々、それと…白木の
いやいや、確かにもしも本当に白木の杭を心臓に打ち込まれたら確かに死ぬけどさ。 それって人間も同じだよね? てか普通の生き物は死ぬよね?
「本当に何がしたかったんだ?」
そう言う私の言葉は、たた闇へと吸い込まれていった。
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