第7話


  懐かしい球団、選手、そういうのは誰にでもあると思いますが、昭和の頃の、そういうオールドネームというのか、なんだか郷愁を呼び起こされる、名プレーヤー、個性的な球団とか、そういうのは、考えてイメージとかに浸るのがすごく楽しい、この時代に生きているが故の、余沢?余徳?のひとつです。


 ごちゃごちゃ書いたが、セラピーとしての執筆なので、ご容赦いただく。


 ジャイアンツ、とかタイガース、スワローズ、カープ…そういう英語で、すでになんかじわっと懐かしくなる。


 江夏、田淵、山本浩二、とか、イメージも鮮明に浮かぶ。張本はよく打ったなあ、とか、柴田の赤手袋、クロマティ、ジョンソン、ブリーデン、シピン、とかホンマに懐かしい。”スーパーマリオ”のポンセもいたな。


 西鉄は、東尾、加藤初、土井正博とかちょっと覚えてますが、そのあとめまぐるしく球団名が変わり、太平洋、とか、クラウンライター、日拓ホームとか?結局今の西武ライオンズになった。球団旗が「レオ」になって、清原とかスターになって、吉永小百合さんがファンで有名だった。


 実際は見てないですが、怪童・中西太なんて名前も懐かしい。ベーブルースを髣髴する強打者だったらしい。ホームランの飛距離が伝説的になっていたりした。


 新浦壽夫なんていう左腕もいた。当初ノーコンで有名だったが、大化けして?20勝20セーブ記録したりしたなあ。


 野村克也や、松原誠、平松、松岡弘、中塚、江尻、衣笠、外木場、金城…こういう名前が特に懐かしいのは、プロ野球を観戦し始めた、ごく最初の、”蜜月時代”の選手だからかもしれない?”世の中にこんな面白いスポーツの世界があったのか!”みたいに熱中する感じだったんだと思う。


 わりかしこういう懐古趣味的アナクロニズムに、古い選手を憧憬、称揚するというのは誰しもあるらしくて、東海林さだおさんも、そんなエッセイを書いていたことあった。


 関西の山奥の、ド田舎者なので、実際にプロ野球を観戦したという体験も貧弱で、オープン戦のみ、それも数えるほどです。


 地元を南海ホークスがキャンプ地にしていたころに、<南海=大洋>戦を観た。「野球狂の詩」という映画のロケをちょうどやっていて、主演の木之内みどりというアイドルっぽい女優が始球式をしていたっけ。


 左腕から下手投げ、「水原勇気」そのままの投法で投げたのですが、なんと大暴投で、バックネットにすっ飛んでしまった。


 木之内みどりは、帽子を押さえて、ラブコメ風にペロッと舌を出して、照れ笑いしながらマウンドから走り去った。その情景が今でもありありと目に浮かぶ…その時に隣にいた友人はその後自殺した。


 まあ、ただの往時茫々…というやつの範疇のひとつのフラグメントですが。

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