第3話
小学生のころから、巨人ファンになって、で、当時は娯楽が少なくて、プロ野球がいちばん誰しも観ていて、面白いテレビ番組、だったのです。
プロレスも観たが、割と嘘っぽい感じで、野球ほどハマれなかった。「タイガーマスク」も、面白かったが、ボクは「ドカベン」が好きなイモっぽい野球派だった。
「仮面ライダー」が好きな子供も多かったが、ボクは「ウルトラマン」派、そういうことで、中島らもさんによると「ビートルズか、ストーンズか」というのもあったそうです。自分的には、ラジカルなほうはだいたい逆になる感じでした。
山口百恵か、桜田淳子か、というのもあったかも?どちらかというと桜田淳子やね?
で、巨人か阪神か?なら巨人となる。保守的なタイプなんですね。お嬢様な女優とか優等生の女子アナ好き。ファッションならトラッド?コンサバ? ギャルよりも黒髪のおとなしい眼鏡女子、とかあらゆるところにそういうのはある…
昔の巨人は、川上哲治さんが監督で、「石橋をたたいても渡らない」とうほど慎重居士で、送りバントとか犠牲の外野フライとかで着実に点を稼ぐほうを好む野球で、「インチ野球」とか言われた。報道管制したりして、秘密主義だったり、これは「哲のカーテン」とか言った。
こういう野球の理論的なバックボーンには、”ドジャース戦法”と呼ばれた有名な昔の細かい野球のノウハウがあって、細かくなるが、ドンドライスデールとサンディコーファックスという強力な二人のエースを擁していたので、その強みを生かすために非常に守りを重視して堅く勝っていこうとする戦法を、当時のヘッドコーチのアルキャンパニスという人が考案したのです。
それを、川上さんの盟友?の、牧野茂という新任のコーチが渡米して勉強してきた。で、巨人の九連覇が始まるころから実践していたわけです。で、「面白味がない」とか不評だったが、強いことは強いので?ずっと川上さんが監督で、高度成長の頃は巨人の第3次黄金時代と言われた。皇后さまはボクと同い年なんですが、すると、やっぱり「高田選手のファン」で、少年野球で背番号8をつけていたそうです。これは有名かも?
こういう話題はとめどがないので、たいがいにしますが、野球を毎晩観て、ラジオで続きを聴いて、という思い出は、懐かしい気もするが、今にしてみるとわりと暗くてうっとうしいというところもあります。毎日学校に通って、宿題をして、という日常に閉塞感があるというそういう感覚とダブっているからかもしれない。
小学校のころにはイジメとか両親の不仲とかに悩んでいて、家の中のムードも暗かったということもあるかも…それでも、今ほどに幻聴がひどいとか、そういう悩みはなかったが…だからまあ、現代はまたいろいろな技術革新もあって、生活が豊かで華やかで、彩りもあるというそういう違いに過ぎないかもしれない。
田舎にいても、情報弱者に甘んじる必要がなくて、ネットがあれば、例えばチベットに住んでいても陰謀論くらいは知っているとか?今の時代のメリットで、意識や内面世界もよほど明るくなっていて、郷愁のプロ野球は、なんだか幻想の中で美化されたありふれた感傷に過ぎないかもしれないな?とも思う。
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