第二十五話

まずはモンブランの高火力破裂炎球ブラストボールによる制圧。


モンブランが破裂炎球ブラストボールを4つ出し、真正面に狙いをつけずに適当に放つ。

餓鬼の大群が隙間なくいる為、モンブランが適当に放った破裂炎球ブラストボールが餓鬼に命中し、多数の餓鬼が爆発に巻き込まれる。



「あ、当たりましたわ!!」

モンブランは体をピョコピョコと跳ねさせて嬉しそうにはしゃぐ。


「な?言った通りだろ?お嬢、その調子で餓鬼を蹴散らせ!」


「任せてください!」

モンブランは蒼月に言われた通りに餓鬼の大群にひたすら破裂炎球ブラストボールを放つ。


モンブランはこれで問題無さそうなので蒼月は視線をあまねに移す。

あまね、ちょっと面倒だと思うけど頼むな」


「わかった」

蒼月の言葉にあまねは頷き、答える。

あまねは事前に装備のプリセットを作成しており、装備を即座に切り替えられるようにしていた。

装備のプリセットを切り替えて、サイキックリングを装備して透視クレヤボヤンスを発動する。

そして、奇襲をしようとしている餓鬼の場所や障害物の背後にいる餓鬼の場所を把握する。

把握したらすぐにプリセットを切り替え、装備を変更する。

自身と同じくらいの大きさがある大骨銃・ボーンライフルを伏せて構え、スゥーッと深呼吸した後に先程暗記した場所に狙いを定める。


「いける」

あまねの掛け声と共に大骨銃・ボーンライフルから弾丸が発射される。

大骨銃・ボーンライフルはアンチマテリアルライフルで、障害物があっても場所さえわかっていれば壁ごと破壊し撃ち殺せる。

撃った弾丸が餓鬼を撃ち抜いたことを確認すると、ガチャンとボルトを引きリロードする。


あまねの事はあまり心配はしていなかったが、実際にあまねの腕前を見て蒼月は安心する。

「流石、あまね。もう使いこなしてるんだな。なら俺たちも行くか」


「「わかったー」」

ミルとメルを引き連れて蒼月が餓鬼の大群の元に走る。


ミルとメルはFN P90を取り出し、蒼月の後ろをついていく。


「真ん中の方で戦うとお嬢の破裂炎球ブラストボールに被ダメするからなるべく大群の外側で牽制するんだぞ」


「「わかってるってー」」


「それならいいか!んじゃ、ささっと倒して茨木童子のとこ行こうぜ」


「「はーい」」

蒼月とミル・メルは途中で左右に分かれ、外側でモンブランの破裂炎球ブラストボールあまねの射撃から溢れた敵を倒す。


「ミル足引っ張らないでよー」

「メル足引っ張らないでよー」


「「はぁ?いつも足引っ張ってるのそっちじゃん」」


数秒の沈黙があり、「「どっちの方がたくさん倒せるか」」二人同時に声を出して餓鬼を倒し始める。


「あいつらほんと仲良いなぁ」

蒼月がミルとメルの方から視線を戻し、餓鬼と対峙する。


一人で来た時は倒すのが単調な作業で、かつ結構時間がかかっていた覚えがある。

だが5人でやるとあっという間に餓鬼の大群を殲滅し終わった。


「お疲れー」

蒼月が後方で戦ってくれていたあまねとモンブランも元に戻る。


「お疲れ」

あまねは装備プリセットを変更して、サイキックリングとハンドガンを装備する。


「やりましたわね!」

初めてあやかしを倒せたのが嬉しかったのだろう。モンブランは興奮気味に話す。


「「なんで同じ数なのさー!絶対僕の方が倒したと思ったのにー」」

ミルとメルも集まってくる。


「ははは!倒した数まで一緒とかほんと仲良いな!」

腹を抱えて蒼月は笑う。


「「お兄ちゃん!笑い事じゃないよー!」」


「どうでもいいから早く行こ」

あまねが二人の小競り合いを一蹴する。


「「よくないよー!」」

二人はあまねに抗議しようとするが、あまねの冷たい視線に負けてミルとメルは黙り込む。


「よし、じゃあ茨木童子いくかー!」

蒼月達が奥に進むと、一度見た木の扉を発見する。


「ここだ。準備はいいか?」

蒼月がグループメンバーを見渡すとみんなが頷く。


ギィィィィと音を立てながら蒼月が扉を開けると、奥には非常に大きな鬼が片膝を立てて座っていた。


「よう、久しぶりだな」

蒼月の言葉で茨木童子がゆっくりと立ち上がる。


「ははは、やっぱり返事は無しか!いくぞみんな!手筈通りに!」

蒼月は嬉しそうに大きめの破裂炎球ブラストボールを発動し、茨木童子に向かって放つ。

蒼月の破裂炎球ブラストボールを皮切りに、各々が自分のやるべく仕事は始める。


モンブランとあまねはなるべく茨木童子から離れた状態で遠距離攻撃。

ヘイトは蒼月が取り、後方の二人には向けさせないようにする。

メルとミルはヘイトが向かないようにDPSを考えながら近距離で茨木童子への攻撃


「蒼月様、破裂炎球ブラストボールいきます!」

モンブランは破裂炎球ブラストボールを一つにして放つ前に蒼月に声をかけてから放つ。


放たれた軌道を確認して、蒼月がその場所まで誘導し、茨木童子にモンブランの高火力破裂炎球ブラストボールをしっかりと当ててダメージを稼ぐ。


あまねは伏せずに大骨銃・ボーンライフルを構えて、頭を狙いクリティカルダメージでダメージを稼ぐ。


ミルとメルは茨木童子の後方もしくは側面から頭を狙う。


初めてきた時とは違いかなり早い速度で茨木童子のHPが削れる。

蒼月自身初めて来た時からだいぶレベルが上がっていて、さらに他に四人いるからだろうか。


みんなで頭を狙っている為、右手の部位破壊も起こらず。

狂化も発生しない。


そんなこんなであっという間に茨木童子がポリゴン化し消滅すると、その場に大量のお金と茨木童子の骨がドロップする。

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