幕間 迷子と兎
「ねえ、ラビット、バサラのおじさんは強かった?」
アリスはラビットの馬の形の騎乗部に乗っかりながら問いた。
「彼は、強いと言うよりも何か別の領域に到達していると私は分析しております」
腕の四本を落とされるという初めての経験をラビットは取り込み計算する。経験はラビットに取って最大の糧であり、それらを用いて自身の成長へと繋げようとしていた。
「そう、あなたの腕、一撃で四本も落としたからとてもつもない力を持ってると思ってたけどその通りね」
「アリス、カツラギ・バサラと会うのはこれまでにしましょう。あれは、いや、あの武器と彼は危険すぎます」
森の中をラビットは速度を落とさず走りながらそう言うとアリスは楽しそうに答えた。
「嫌よ、バサラのおじさんは私たちと同じ運命を背負っている。私は破壊者、なら、同じ破壊者がどんな終わりを遂げるか見届けないと」
「あれは私と並ぶ
森を抜け、ラビットは止まることなく、駆ける。だが、アリスとの共鳴が切れると徐々に失速していき、馬のようになっていた足は一つとなり、元の人型に戻っていた。
「すみません、アリス、私がついていながら、君を歩かせてしまいます」
ラビットはそう音を発するとアリスは気にすることなく、笑いかけた。
「別に、大丈夫だよ。ラビットの腕が落とされるなんて想定外だったし、まぁ、とりあえず、お家に帰ろう。みんなが待ってる」
アリスは楽しそうに笑いながら歩き始め、その背後をラビットはついて行った。
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