第5話 諦められない合成師
やっぱり増え方が激しい気がする。
途中でピクシーモスの群れも見つけたので、ゴブリンだけじゃなくピクシーモスも強化されたので巣の攻略はどんどん早くなっていった。
一ヶ月も経った頃には毎日二十以上の巣を攻略出来た。
なのに一向にゴブリンが居なくならない。
おかげでレベルも上がって新スキルも覚えたけど……凄い強力そうだけど、代償が持ってるカード全部は使わないだろうなぁ
さすがにリーダーの居る巣はかなり減ってきたけど、絶対数はそんなに変わって無いんじゃないだろうか?
「やっぱり凄い増えてると思うんだけど」
ギルドのおじさんにそう伝える。
「そう言われてもなぁ、あんたも大した数の耳持って来ないし、上に言うにも説得する材料ないしなぁ」
「う……」
合成する為に夜中一生懸命森の中歩き回ってるのに、耳持って来るためには合成を諦めないとならない。
「それに、あんたFランクだろ? Fランク一人で死なないで戻って来れる程度なら、どんなに耳持ってきても無駄だと思うぞ」
「そっかー」
僕が出来ることは、可能な限り合成で巣の数減らす事くらいしか出来ないか、
ー更に二ヶ月後ー
「おい! まずいぞ、ゴブリンどもが侵攻しだした! 数が多くて対処しきれないから近隣住民は全員、塀のある首都まで逃げろってお達しが出たぞ!」
「え! あ、いやぁ首都は行きづらいなぁ……」
「そんな事言ってる場合か! ほら! 逃げるぞ!」
「あ、うん、他の人に紛れ込んじゃえばバレないかな」
ー首都ー
「皆のもの! 安心するが良い! 我々は勇者の召喚に成功している! ゴブリン如きに負けることは無い!」
そう言って騎士団と勇者が討伐に出て行って一週間たった。
「勇者死んだらしいぞ、騎士団も全滅だってよ」
ギルドのおじさんがそんな話をしてきた。
「これからどうなるんですかね?」
「決死隊が編成されるらしいぞ! こうなると前にケチケチしないでもっと予算出せば良かったんだよ! 本当にこの国は腐ってやがる!」
「決死隊?」
「暴走させると大爆発する火属性のマイトっていう攻撃アイテムを身体中に巻きつけて、戦って殺されそうになったらそれを起動して相手巻き込んで死ぬ部隊だ」
「死ぬまで戦って、死ぬ時は道連れにするって、それって生きて帰って来ること無いじゃ無いですか!」
「あぁ……ほら見てみろ、既に決死隊に選ばれた兵士が連れていかれてる」
おじさんが指差す方を見る。
「あぁ!」
小柄なあの人だ……。
「決死隊って自分から立候補したり出来るんですか?」
「そりゃ、何人いても良いからな! だがそんな奴いな……お前……立候補する気か?」
コクンと頷く。
「生き残れる訳ねぇだろ! 悪いことはい言わねぇ、やめとけって!」
僕は首を横に振る。
「死んでほしくない人があの中に居るんです……」
「お前ってバカだったんだな……だけど俺は嫌いじゃないぜ、絶対戻ってこい! とびきり美味いとっておきの酒を飲ませてやる!」
「分かりました! 絶対飲みに戻ってきますね!」
僕は決死隊の列へ加わるために、歩き出した。
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品はカクヨムコン参加作品です。
カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。
長編も書いているので良ければ見てください!
https://kakuyomu.jp/works/16818093081579462826
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よろしくお願いします。
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