第7話 情報
「ええっとね、」
「にい様たちがどんな事をするのか知れるまで私は逃げられませんよ!」
参ったなぁ。
遥にはできるだけ知られたくない。ていうか嫌われたくないし。
でも本当のことを言わないと遥は納得しないだろうな。
「兄は、仲間に絶大な信頼をおいているだろ?だから、そのうちの兄に近い数人
や、菅間らが兄を裏切るといえばかなり慌てるはず。」
浜地が続ける。
「恐らく菅間は失脚させられますので、その空いた役職に我々の仲間を送り込みま
す。」
「でもあいつが騙されなかったら?どうするの?かなり不味いことにならない?」
「たとえ騙されなくても混乱が起きることは確実。その隙に城を乗っ取る。」
遥はまだ完全に納得した顔はしていなかったが、渋々頷いた。
「わかった。じゃあ峰山に行ってくる」
「取り敢えず明日まではぐすっり寝て。おやすみ」
「にい様もおやすみ!」
「じゃあ浜地、そろそろ動こう」
「わかりました。取り敢えず城の台所係辺りから噂を流してみます」
「ああ、頼んだ。」
「にい様!おはようございます!朝ですよ!」
「遥は朝に強いねえ。」
なんか暖かいな。
「わっ。遥がまたくっついてる。ここ浜地の家だよ」
「明日からにい様と離れると思うと寂しくてつい、、駄目ですか?」
「いいけど!もう遥はぁ」
なんて会話をしていると目が完全に覚めた。起き上がって浜地の部屋に行く。
「いよいよだな!」
「ええ、遥様と共に峰山に参る人々を集める手筈は整いました。皆でわかめの採集
の仕方を学ぶことにしております。」
「それでいけたのか」
「はい。遥様には酉の刻に島崎の海岸で集合して船に乗る事になっています。」
「わかった。色々ありがとう浜地。天気が良くて良かったね!にい様。」
「ああ、遥、ありがとう」
「遥は何もしてないよっ。こっちこそありがとう。」
「そんなことない。
取り敢えず遥はどうしても必要なものをまとめておいてくれ。」
「足りないものがあればすぐに買いに行かせます。」
「にい様たちもうまくやってね!」
「もう噂は流したのか?」
「いいえ、遥様たちが出発する今夜に流そうと思います。」
「わかった。早めに決着がつくと良いな」
「そうですね」
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酉の刻は18時頃、子の刻は真夜中の0時頃を指します。
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