第4話 続いて with人質
嫌な予感は的中した。やはり燃えていたのは自分と遥の家だった。
「遥ああぁぁぁぁぁ!」
思わず叫んでしまう。「にい様にい様」と慕ってくれた、逃げるのが誰よりも得意な遥のことだからうまく逃げられているはずだが。周りを見渡す。そして目が合ってしまった。兄を含めたお馬鹿さんたちに。
「おい洛、ちょっとこっち来てみろ。面白いもんが見れるぞ」
まじで嫌な予感しかしない。周りに気を張り巡らせながらそっちへ行く。
「は」
目を疑った。そこには服を脱がされ縄で縛られている遥がいた。周りには男しかいない。裸で縛られているということはこれは遥のきれいな体が他の男の手に触られて縛られたってことだろうか。
「おい遥!大丈夫か?」と駆け寄ろうとすると、
「にい様!こっちに来ないで!」
よく見ると周りには確かに槍兵が控えている。刺殺されそう。たしかにこれは罠だ。
でも僕には遥しかいないんだよ!
「洛、よく聞け。ついに!俺らの愛するバカ親父がようやく死んだらしいぞ!これは
どういうことかわかるよな?」と、嬉しそうに言う。
「兄上が大宮の家を継ぐということですか、、」
仮にも父親だぞ。こいつの心どうなってるんだ?あ、こいつらが馬鹿だからか。
「流石我が弟、話が早えじゃん」
「俺、大宮実道はとある作戦を考えているのだよ。聞きたいか?」
「兄上、それより先に遥を離せください。」
「それがお願いする態度か?まあお前が宮津の奴隷共の家を全部つぶしてきたら考えてあげなくもないがな」
「‥‥‥‥‥‥‥‥っ!」
この兄どんだけ卑怯なんだ??
「まあ作戦というのは俺の家来は全員妻子を人質として差し出すことだな。その手始
めとして遥に人質になってもらう。そうすれば他の奴らも差し出してくるだろ。」
「洛、どうする?家を潰すか、遥を俺のもn、おっと違った人質として差し出すか。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「早く決断しろよ!」
バシンッ!
は?何今の音。今日で1番、いや過去1嫌な予感がする。
音の方を恐る恐る振り向くと、苦悶の表情を浮かべる遥と、楽しそうな、馬の鞭を持った男がいた。遥の白い肩と背中が朱色に染まっている。
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