第3話 ようやく始まります @民家
「兄上!それはだめです!」
「は?洛、邪魔すんな。ていうかお前何回言ったらわかんの?女みたいな体でお前が
俺に勝てるわけ無いじゃん」
「だとしてもです!もし兄上がその穀物を持っていってしまったら彦兵衛さんの家は
何を食べるのですか?彼らはもう税を支払っているのですよ!」
彦兵衛さんは今僕らがいる家の持ち主の人だ。
「俺にはまだ税は支払われていない」
「父上に貰いに行ったらどうですか?兄上のようにたくさん蓄えを持っています故」
「俺を親父と一緒にすんなぁぁぁぁぁぁ!!」
そして降ってくる鉄拳。そんな闇雲なもんがこの僕に当たるわけ無いだろ。
どうしてこんな状況になったかと言うと、宮津領の見回りも兼ねて情報収集しているときに、ものすごい怒鳴り声が聞こえてきたからだ。で、そこを覗いたら彦兵衛さんを脅して私腹を肥やそうとする兄が目に入ったから自分的に許せなくて反論したわけ。
「確かに私は兄上に力では勝てませんが、兄上も私にまだ勝つことができていません
よ?」
「避けている時点でお前の負け。さっさと消え失せろ」
「兄上達がこの場所から去ったら私も消えるつもりです」
と言ってできる限りの笑顔を作った。更に激昂する兄。
「おい天実組!(てんじつぐみ)今すぐこいつを田に沈めろ!」
「「「「わっかりましたぁ!」」」」
抜刀して襲いかかってくる彼ら。おいおい年下の子供相手に刀抜くとか弱すぎだろ。
とか考えながらとりあえず避ける。こいつらが馬鹿だからかと結論付け、奴らの股間だけを狙って蹴りまくる。これなら僕にも勝ち目があるから。苦しそうに呻くお馬鹿さんたち。
チッ と兄は舌打ちして出ていく。いやこれ勝った判定でいいやろ。
「お騒がせしました」と彦兵衛さんに頭を下げ、倒れてるお馬鹿さんたちを外に蹴り飛ばし、近くの代官所に強盗として預けておく。それにしても始終驚いていた彦兵衛さんの顔面白かったなあ。なんて帰途についた。
早く帰って愛しい遥と楽しく過ごしたい、なんて思っていたら、よく見ると僕の家の方が燃えている。嫌な予感。
そして外で笑っている兄が見える。ますます嫌な予感。
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面白くないプロローグの後のこの話まで読んでくださりありがとうございます!
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