第17話 『楽園にて』 その2
フルコースA
今日のフルコース
前菜 ………食人草のマリネ
スープ………地球チキン
魚料理………地球鯛
肉料理………地球豚
メイン………地球人類の料理
サラダ………地球サラダ
シャーベット
地球コーヒー
『この、地球人類の料理てのは、つまり、なんなんでしょう。』
と、ぼくは、素朴な疑問を抱いた。
地球人類が食べる料理?
いや、地球人類を料理したもの?
『それは、あなた、後者でしょうなあ。』
と、赤血探偵はあっさりと言う。
『だって、ここは、メイン料理ですから、当然食材が書かれるべきでしょうからね。』
『いやあ………』
『まあ、注文しにくいですな。他にしましょう。』
といわれても、食材が分からないときたら、何にしたらよいか迷ってしまうではないか。
『これとかいかが。‘’地球野菜うどん定食‘’。』
『まあ、そうですね。食人草なら、たまには食べますし。』
『食べるんですか?』
と、赤血探偵に聞き返された。
『まあ、名物料理で、町民価格ですから。』
『なるほど。なるほど。ふんふん。』
なんだか、気になる言い方である。
しかし、なにもオーダーしないわけにはゆかない。
赤血探偵は、ウェイターさんを呼んで注文したのである。
『さて、厨房に潜入したいですな。』
『まあ。でも、広すぎるし、あまりに色とりどりで、覗きにくいですね。入れないかも。』
『なに。方法はありますよ。透明面のサイド《インビジブルサイド》を切り替えればよい。』
『はあ?』
『要は、相手が光を見えないように調節すればよいのです。ちょっと時間が掛かりますが、食べてる間にはできますから。』
『はあ………』
ぼくは、もう、食べ物が気になって仕方がない。
しかし、実のところ、すでに手遅れだったかもしれないと、ふと、思い当たった。
『まあ、そうなんですなあ。まだ、はっきりはしませんが、あの食人草は、文字通り、食人草で、この連中と関わりがありそうですよね。長年、人間を食べてきた。あるいは、収集してきた。』
『あまりに突飛な発想ですが、ぞくぞくします。』
『そうでしょう。しかし、まだ、つながりが明確ではないです。スープにできても、肉料理にはできるのか?』
『おうどんにも、スープはありますね。』
『もちろん。』
すると、先ほどのウェイターさんがやってきて言った。
『あ、お客さま、オーナーがお会いしたいと申しております。』
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