第13話 『草原の真実』 その5


 それから、赤血探偵は付け加えた。


 『これには、思念通信機能付きです。開け! と思って、それから考えれは通じます。終わるときは、閉じろ! です。絶対に声を出さないでくださいね。ばれますから。話しは、あとからです。まずは、見るだけね。』


 それで、びくびくしてはいたが、受付は、難なく通過したので、やや、安心したのである。


 不思議なことに、ぼくには赤血探偵が見えている。


 まてまて、ほかに、同じ装置を使っている人がいたらどうなる?


 『こいつには、秘話機能が付いてますから。たしかに、荒川博士なら似た装置を造っている可能性はありますが、まず、ダイジョブですから。監視カメラにも写りません。オカルト映像にはなりませんよ。ただし、お手洗いは要注意です。誰もいないときにやりましょう。』


 『はあ。……ナンダソレワ』


 ぼくたちは、ざっと観覧して、立ち入り禁止区域に入った。


 しかし、まずダイジョブなはずが、そいつは、早速、脆くも崩れたのである。


 

      🚧








 

 

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