第8話 『第3の勇者さま』 2


 この大草原の周囲には広大な柵が張り巡らせてある。


 しかし、人間はこわいものが好きである。


 そこには、さまざまな感情や主張が入り込む余地がある。


 核実験を観光化したりした例もある位だ。


 しかし、この世界には核兵器は無いようである。


 けれども、怖いもの見たさは、変わらない。


 また、政府としても、国民に対する周知という面からも、政府の公正さを示す意味からも、完全閉鎖ではなくて、一部分を公開する必要性があったのである。


 そこで、草原の一角に『食人草博物館』を設置していて、かなり離れた場所からではあるけれども、見学が可能になっていた。


 硬貨を入れると2分間見ることのできる大双眼鏡もある。


 知られる限りの歴史や、事故の歴史、伝説も解説されている。


 しかし、この『草』を神聖視する宗教団体もあり、それは与党の一部でもあり、また、野党の力も侮れないため、かなり押さえた解説にはなっていたが。


 さて、その施設の地下には、実は門外不出の設備がある。


 もちろん、草原の中に通じるトンネルである。


 掘られたのは、考古学的にも、二千年は前とされている。


 もちろん、補修されてはいるが。


 確実に、公に、草原の中に入ることのできる、唯一の場所である。

 


      🕳️!



     🕵️‍♀️











 


 


 


 


 


 

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