第5話 『第1の勇者さま』


 第1の勇者は、『ヒトクイ植物だあ? ん、なもん居るわけがない。噂を信じちゃだめだぜ。』


 と言って、町に向かった。


 もちろん、周囲から草原には入れないし、厳重に柵が張り巡らせてある。


 しかし、町からは、一ヶ所だけ入ることのできる場所がある。


 それこそが、かの、レストランの裏庭にある扉である。


 レストランの主は、そこから、その謎の草を取りに入るのだという。


 ただし、もちろん、普通には入れないから、なんだか特殊な呪文を唱えて儀式をしてから鍵を開けて、裸で立ち入るのだとされる。


 それは、レストランの主しかできないらしい。


 町に住んでいても、そこのところは、まったく、分からないのだ。


 ただし、言っておくが、そのサラダは、最高に美味しいのです。


 サラダに食べられることはない。


 呪文が効いているから、らしい。


 食べてしまえば、そりゃもう、人間の勝ちである。


 第1の勇者さまも、食べるだけにしておくべきだった。


 あながち、首相の友人だからとか言って、むりやり許可なんか取らなければよかったのである。


 二度と帰ってはこなかった。



    🦸‍♀️ミヨ ユウシャハカエル!

 

 


 

 

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