第4話 『うわさ』 2


 二千五百年前に、宇宙から来た鬼たちが、ここで戦争を繰り広げた。


 それは激しいものだったらしい。


 ぼくたちは知らない武器も使われた。


 それは、生き物を一瞬にして土に変えるとか。


 そうしてできた土地に、鬼たちが宇宙から持ってきた食糧が野生化して広がった。


 それが、この大草原である。


 なぜ、町のある場所だけがぽっかりと空いた場所になったのか。


 そこが、鬼たちの住む町だったから。とか。爆発の中心だったから、とか。池があったんだろう、とかいろいろ言われる。


 しかし、武器の残骸などは見つかっていない。


 もちろん、鬼たちの死体も見当たらない。


 ただし、何もないわけではない。


 この禁足地の外側に政府が道路を通そうとしたさい、地中からおかしなものが出てきたのである。


 それは、『携帯ランプ』そっくりな、お椀を逆さまにしたような物体である。


 なんでできているのか、判らなかった。金属や鋳物でも、なにかの焼き物みたいなものでもない。

 

 中には良くわかない物質が詰まっていたが、それがなにか、なんの役割をするのか、そいつも解明されてはいなかった。


 学者さんの中には、星間航法装置ではないか、とか、なにかの玩具ではないか? 


 宇宙生物の、鬼の、武器に違いないという人もいた。


 つまり、爆弾である。


 危ないものだったら大変だから、と、そいつは政府がどこかに持っていってしまったため、いま、どこにあるのかは分からない。うわさでは、軍が押さえたと言われる。



       🍜












 


 


 


 


 


 

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