第3話

桜並木を歩く5人の学生。


今日は彼らの高校の入学式。


ひらひら舞う桜の花びらが、

まるで彼らを祝福しているかのよう。





?「春稀はるき

  入学式って何時からだっけ?」



とても綺麗な顔をした黒髪の男が

気だるそうな口調で言う。


綺麗なのにどこか雄々しく色気があり、

思わず同姓でも胸を高鳴らせてしまう。





春「9時からだよ。

 … れん知らなかったの?

届いた資料に書いてあったでしょ?」



蓮「……資料?

…あぁ。そういえばあったな、そんな

の。めんどくて目通してなかった。」



春稀「はぁ。だと思った。

一応クラスとかも確認しなきゃだし、

  早めに着いておかないと。」




王子様のような雰囲気の爽やかそうな男が、呆れたような顔をして答える。



一見優しそうだが

どこか影があって危うさを感じる。


しかし、それが逆に女心をくすぶるのか

女性たちの視線を集めている。





?「えぇ〜!そうなの⁉︎

 じゃあやばくない? 今8時40分だよ?」



慌てた様子で

可愛らしい顔をした美少女が言う。


だがよく見るとズボンを履いており、

男だということがうかがえる。



髪は天然パーマなのかふわふわしていて、

思わず触れたくなる。



目は大きくクリクリしていて、

そこら辺の女子よりもはるかに可愛い。





?「みなと うるさい。

  だいたい、もとはと言えばお前が

  寝坊したせいだろ?」





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