第6話考えても考えても

エデルには秘密があるようでないようであるのかもしれない。

エデル自身も分からないのだ。

そう。分からない。

寒いのに冷たいドリンクを頼みたいという自分の心が。

エデルは甘党だ。辛いのもいけるが、基本的に甘いのが好きだ。

でも、残念ながら期間限定の冷たい飲み物を飲むのは諦めた。

学校終わり、病院へ行った帰りに通勤ラッシュに合い、苦し紛れにくだらないことを考えながら都会を過ぎ去る窓を見る。

そもそも秘密とは。何だろう。誰かの柔軟剤の香りを嗅ぎながら思う。良い匂いだ。まるで変態ではないか。違うら。嗅ぎたかったわけではない。たまたまだ。たまたま。

雲の間から太陽の光が差し込めている光景を長めたがら誰かに向かって言い訳した。

この後やることがある。それまでに帰らなければ。頭の中でシュミレーションしながら今後の面倒なことを思い出した。そしてため息をつくと思ったでしょう。はい。つきました。

これでいいでしょ。これで。エデルはちょっとヤケクソになった。

そういえば恋人が欲しいと思ったが、周りの人間を見てないな、と思い直してまた自分にダメージが入る。

一体自分は何を考えているのだろう。

自分でもエデルは理解ができなかった。

そしてまた我々も理解ができずにいた。

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