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「クリスティーヌ」
アタシはママの事を思い出す。
「ねぇ、お母様……?」
「なぁに」
「アタシが大きくなってもずっと一緒にいられるよね?」
「えぇ、勿論よ!」
「ホント?約束よ!」
身体が弱く、よく床に伏せっていたママ。
ホントは長く生きられないって、自分でも分かっていたくせに。
大丈夫だって、いつもアタシを励まして……。
だけど。
あれはママなりの気遣いだって知ったのは、ママが亡くなった後だった。
「ッ……嘘つき」
眠りについたママに、アタシはすがりつき泣いた。
赦せなかった。
ママを悲しませる事ばかり言っていた自分に。
辛かった。
それでも嘘をつき続けるママに。
寂しかった。
もう、優しく抱き締めて貰えないと思ったから。
彼女がアタシの頭を撫でながら、優しく抱き締めてくれた時、アタシは大声を上げて泣き叫んでいた。
「うぅ…あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁ……マ゛マ゛ぁぁ……マ゛マぁぁぁ!!」
すがりつくと、彼女は一層強く抱き締めてくれた。
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