第二話

 静岡県内某所。円いテーブルを、五人の男女が囲んでいた。

「それで、コノハくん。例の男について説明してくれるかな」

 そう言ったのは、姫と呼ばれていた少女。その名を君影きみかげ 鈴蘭すずらんといった。その隣には、アセビを回収した美青年、ヒガンがいた。

「オーケー、指揮官殿」

 鈴蘭への返答は、澄んだハイトーンヴォイスだった。その声の持ち主もまた、中性的な、イケメンと呼んで差し支えない顔立ちだった。

白詰しろつめ 黒雲くろくも。我々の計画を掴んでいるだろう男、そして、最大の障害となるだろう男です。年齢は十七。出身は静岡県の『壁外』。しかし、一年程前から拠点を『壁内こちら』に移しているようですが、詳しい場所などは不明です。半ば失踪という感じですね」

 『大災厄』の後、治安が崩壊した日本では、各地の都市が魔法で壁を造り、『城壁都市』と化した。そして、その中だけでも治安を維持しようとした。その結果、日本は、無法地帯の『壁外』の中に、比較的安全な『壁内』が点在することとなった。静岡県は、静岡市、浜松市、沼津市に『城壁都市』がある。

「質問いいかなコノハくん。黒雲は、何故『壁内』に移住を?」

 そう訊いたのは、眼鏡を掛けた青年だった。

「それはワタシにも判らない。だが、黒雲は、佐倉姉弟と呼ばれる二人と組んで活動していた。しかし、その姉弟の間にいざこざがあったようで、弟が姉を殺して、その後、失踪したらしい。佐倉姉弟がいなくなったのが、移住のきっかけかもしれない」

「その事件は僕も聞いたことがあります。家族で殺し合うなんて、嫌な事件ですね」

 眼鏡の青年の隣に座った、まだあどけなさの残る少年は、顔をしかめた。

「コノハ、佐倉姉弟はともかく、そいつは強いのか?」

 ヒガンが訊いた。

「日本最強と言われることもある。ワタシがまだ『壁外』にいた頃に、その伝説は嫌というほど聞いた。最近だと、あの悪名高い『駿河組』を『なんか気に食わない』という理由で、たった一人で壊滅させたとか」

「日本最強ねぇ」

 青年は、眼鏡を押し上げた。

「私を差し置いて日本最強とは、笑わせる。指揮官、黒雲の場所を特定してくれ。名古屋最強の私こそ、日本最強なのだということを、証明してやる」

「頑張って、お兄ちゃん」

 少年は、兄に輝く視線を向けた。


 

 

「おはよう」

 喫茶リユニオンは二階建てで、一階が店、二階は、マスターと、住み込みで働いている俺の部屋がある。その二階に、新たな住人が加わった。

「おはようございます」

 藤乃である。家が爆破されてしまったので、藤乃はリユニオンの二階の、空き部屋に住むことになった。『壁外』からこっちに来て、行く当てが無かった俺を、雇ってくれたのもマスターだ。彼には感謝しかない。

 俺と藤乃は、一階に降りた。店のキッチンを借りて朝食を作り、それを二人で食べる。

「それで、昨日は疲れていたし、後回しにしてしまったけど、状況を説明して欲しいぜ」

「美味しいわ。朝はパンというのも、悪くないわね。えっと、それで説明だっけ?」

 マーマレードをたっぷり塗ったトーストを齧りながら、藤乃は語りだす。

「全ては十五年前、わたしが生まれた時に始まった。わたしの右眼には、魔眼が宿っていた。そして、枝岡家には、言い伝えがあった。魔眼を持つ子どもが生まれたら、それは、その代で『敵』が現れるということ。そして、その子どもは『敵』の計画を阻止するために、戦わなければならない、というものよ」

 藤乃は、箸で器用にベーコンエッグを口に運ぶ。和風美人が箸を使うと、何を食べても様になる。

 それはともかく、俺は藤乃に確認する。

「その『敵』というのが、あいつらということか。一体、何者なんだ。空間転移みたいなことができるようだな。しかし、どんな魔法でもそんなことはできないはずだが……」

「魔法には三種類ある、というのは、常識よね」

 藤乃の言う通り、魔法には、『魔術』という下位分類があり、純粋魔術、自然魔術、錬成魔術の三種類に分けられる。

 魔力をそのままぶつける純粋魔術。

 魔力で物質を操作する自然魔術。

 魔力から物質を作り出す錬成魔術。

 どの魔術を使うかは、流派によって異なる。だが……

「それは、あくまで西洋魔法と、その影響を受けた、日本を含む一部の東アジアとアメリカの魔法の話だろ?」

「その通りよ。それ以外は『妖術』として扱われ、魔法学会では魔術に認定されていなかった。『大災厄』の前には『妖術』の中にも、魔術認定すべきものがある、という議論があったらしいけど……」

 今や魔法学会がまともに機能していないからな……。

「空間転移も『妖術』というわけか」

 俺の言葉に藤乃は頷く。それから付け加える。

「あの姫が使うのも、その『妖術』の一つ。占星術よ。正確には、西洋占星術ね。中華魔法の一つの占星術とは別物。星々の運行を読み解き、現在と未来を見通す魔法。その起源は古代メソポタミアにあると言われている」

 藤乃は、なんとかヨーグルトを箸で食べようとしていたが、断念した。何故そこまで箸にこだわる? 和風アピールなのか……?

「さて、ここからが本題。占星術には、とある大魔法が存在する。それを使うのが、姫の『計画』に違いないわ。その『計画』とは――」


 

 

 朔也と藤乃が朝食を食べている頃、白詰黒雲は、ゴミ出しをしていた。集積所に紙ゴミの詰まった袋を置いて、カラスに漁られないよう、扉を閉めようとして、手を止めた。そして――

「おい、出てこい。気付いてるぞ」

「流石は日本最強を名乗るだけのことはあるな。まあ、私ならもっと早く気付いていたが」

 隠蔽魔法を解除し、物陰から、眼鏡の青年が現れた。

「名乗った覚えはねぇよ。で、なんの用だ?」

「私は君影鈴蘭に仕える四天王の一人『名古屋最強』大橋おおはし 理人りとだ。もうお分かりだろう?」

 黒雲は首を傾げる。

「なんのこっちゃ?」

「よもや、私たちの計画を知らないのか? あなた程の『壁外』の実力者なら、とっくに把握しているとばかり……」

 黒雲は頷く。

「うん。知らない。俺は、情報網の類は形成してないからな。でも、面白そうだし、協力しようと思う。まあ、立ち話もナンだし、取り敢えず、キミたちの拠点に連れていってくれないかな」

「待て貴様、知らない振りをしているだろ! 拠点に上がり込もうとは、いい度胸だ」

 黒雲は舌打ちをした。

「駿河組の奴はこれで引っ掛かったんだけどな」

 理人は眼鏡を押し上げる。彼の体内で、魔力が循環を始める。

「我々の『計画』を邪魔させるわけにはいかない。我々の――」


 


「人類を滅ぼす⁉」

 俺は、藤乃の言葉に、思わず耳を疑った。

「そう。占星術の大魔法『星落とし』で隕石を地球に落とし、人類を滅亡させる。それが彼女たちの『計画』。枝岡家は、それを阻止するための一族。『星落とし』が使える者の出現が近づくと、それに対抗できる『魔眼』所有者が産まれるという魔法を、血統に宿している」

 眼鏡の奥で、藤乃の魔眼が煌めく。

「いや、ちょっと待て。『星落とし』⁉ そんなのは不可能だ。占星術といえども、魔法の一種。つまり、行使には魔力が必要だ。隕石誘導なんて、どれだけ魔力が必要か……。何年もかかる儀式魔法を使ったって、精々『流れ星』程度が限界なんじゃあないのか?」

 儀式魔法とは、魔道具による補助によって、通常より強力な効果を発揮する魔法である。しかし、それにも限度はある。

「その辺はわたしにも分からないわ。でも、できることは間違いない。だって、一回やったんですもの」

 既に一回……? まさか……⁉

「『大災厄』⁉ あれは、人為的なものだと言うのか?」

 藤乃は再びトーストを食む。

「その通り。あれは占星術師の仕業。だけど、完璧にはいかなかった。枝岡家以外にも、占星術師に対抗する家系がいくつか存在する。全部、元を辿れば同じ、一人のメソポタミアの魔法使いに辿り着く、と言われているわ」

「つまり、その家系の人のおかげで、世界人口が半減するにとどまった……ということか?」

 藤乃は首肯した。


 


 黒雲は、鋼属性の錬成魔術で、右手に日本刀を生み出す。

「丁度いい。佐倉姉弟がいなくなって、退屈してたんだ。暇つぶしに叩きのめしてやるよ」

「その魔法、ウォーリア派か」

 理人は、対抗するように、錬成魔術で両手にナイフを出現させる。

「私はアルケミスト派だ」

 魔術師には六つの流派が存在する。流派によって、使われる魔術の種類が違う。ただし、中には、本来その流派では使わない魔術を使う『変わり者』の魔術師も存在する。

 アルケミスト派は、錬金術師に源流を持ち、錬成魔術と自然魔術を得意とする。

 一方、ウォーリア派は、戦闘に特化した流派で、自然魔術を主に使うが、それ以外も、強ければ取り入れるという、フレキシブルな流派である。

「喰らえ!」

 先手を取ったのは、理人だった。両手のナイフを同時に投げる。黒雲は、残像が見える程の速さで刀を振るい、それらを弾く。

「そのスピード。自然魔術で身体強化をしているようだな。属性は風か」

 体内魔力循環の関係上、基本的には、純粋魔術、自然魔術、錬成魔術の内、二つまでしか使うことができない。黒雲は自然魔術と錬成魔術ということが判明した。

 実のところ、黒雲の属性と使う魔術は、鈴蘭が占星術で占っていたので、理人は知っていたのだが、プレッシャーをかけるために、敢えて彼は口にした。

「だが、力任せでは私に勝てない!」

 弾かれたはずのナイフが軌道を変える。

「ふうん、ワイヤーか」

 黒雲は、隠蔽魔法で隠されたワイヤーを断ち切る。ナイフはあらぬ方向へ飛んでいって、地面に刺さった。

「さらにさらにさらに!」

 理人は、魔力のこもったナイフを三本、新たに生成し、投げつける。

「『旋無尽風つむじかぜ』」

 黒雲が魔法を発動する。旋風が巻き起こった。開けっ放しだった集積所に置かれていた紙ゴミが飛び回り、理人の視界を奪う。

 紙吹雪が全て舞い落ちた時、黒雲は理人の眼前から消え去り、的を失ったナイフはアスファルトを突き刺していた。

「どこに……⁉」

「ここだぜ!」

 頭上から、黒雲が、風を纏って回転しながら落下し、理人に斬りかかる。

「それくらい知っている! フェイントだよ!」

 理人の手から幾本ものワイヤーが伸びる。ワイヤーは黒雲を絡めとり、地面へと叩きつける。

「よっと」

 黒雲は衝撃吸収魔法を展開し、着地のダメージを防ぐと、即座に立ち上がった。

「その程度の実力か。つまらない。そろそろお遊びはやめようかな。俺はまだ朝飯を食ってねぇんだ。お前なんて、文字通り朝飯前だぜ」

 黒雲の体内魔力が高まっていく。しかし、理人は眼鏡を押し上げた。

「随分と上から目線だな。自分の立ち位置というものを理解しろ。あなたはもう、捉えられているんだ」

 地面に刺さったナイフが垂直に光線を放つ。ナイフは円を描くように刺さっていた。その中心には、黒雲が立っていた。

「儀式魔法⁉」

 さらに、光は地面にも走り、ナイフ同士を繋いでいく。

「その通り。五本のナイフで描く五芒星の魔法陣。あなたは、蜘蛛の巣にかかった蝶だ。さあ! 儀式魔法『ディストラクション・ワイヤー』ッ!」

 ――しかし、何も起こらなかった。

「え?」

 そんな声が、理人の口からこぼれ出た。

「なーんてな。ナイフに不自然に魔力が込められているのに、気付いてないと思ってたの?」

 黒雲の手には、理人の投げたナイフがあった。

「じゃ、じゃあ、地面のナイフは?」

「俺が作った。んで、紙ゴミをまき散らした時にすり替えておいた。魔術っつーより、奇術だな。佐倉の姉の方に教わったんだ」

「ま、まだ負けてはいない!」

 理人は、数十本のワイヤーを同時生成する。そして、心臓の魔導起点に宿る魔力を解放する。

「いや、負けてるだろ。儀式魔法に失敗した時のお前、隙だらけで、俺が本気なら十四回くらい殺せてたぞ」

「だからどうした! 貴様はそれをしなかった! 儀式魔法だけが私の切り札ではない!」

 無数のワイヤーが、不規則な軌道で、一斉に黒雲に襲い掛かる。その一本一本が、肉を裂き骨を断つ必殺の切れ味。錬成魔術は、単純な破壊力なら、純粋魔術や自然魔術に劣るが『殺傷力』は三種の魔術の中では最強である。

「『心音綺導』――『カウントレス・ウルフズ・ファングズ』ッ!」

「しゃらくさい! 『迎撃風むかいかぜ』」

 黒雲を中心に、爆風が発生した。空気の奔流が、ワイヤーを全て蹴散らす。銀色の風が吹き荒れた。

 必殺のワイヤーは、一欠けらも黒雲に触れることができなかった。

「そんな……。全魔力だったというのに……。たった一発の魔法で……」

 理人はただ立っていた。魔力を使い切り、しばらくは魔法が使えなくなってしまっていた。

「さっきの儀式魔法だって、やろうと思えば力づくで突破できたんだぜ。わざわざ頭脳戦に付き合ってたんだ。お前と俺とじゃあ、魔力量の桁が違う」

「あ、有り得ない! そこまでの魔力量……。人間では……!」 

 理人に、黒雲は刀を向ける。

「とどめだ」

 その刀身の周囲の、空気が揺らぐ。

「『風舞太刀かまいたち』」

 強く踏み込み、黒雲は刀を袈裟懸けに一閃した。風を纏った刃が、理人の身体を鋭利に斬り裂いた。

 ぽたり、ぽたりと、血がアスファルトに黒い花を咲かせる。やがて、それを覆い隠すように、どさりと理人の身体が頽れた。

「よし。殺してはいない。上手く手加減できたようだな」

 動かなくなった理人の呼吸を、黒雲は確認した。

「さてと……。確かに最初、俺はお前をハメて本拠地に乗り込もうとしたが、計画を知らないのは本当だぜ」

 意識の無い理人に話しかけるように、黒雲は独り言ちる。

「どうやら、お前の味方に、『俺が計画を知っている』と、勘違いしている奴がいるようだな。さて、何故そんな勘違いをしたのやら……」

 黒雲は「その内、誰かが通りかかって、介抱してくれるだろう」と、理人を放置して帰ろうとして――

「あ、そういや、気絶させる前に訊いとくべきだったな」

 足を止めた。

「――なんでお前ら、人類を滅ぼそうなんて思ったんだ?」


 


「何故『星落とし』で人類を滅ぼす、なんて計画を?」

 俺は藤乃に訊いた。彼女は首を横に振る。

「分からないわ。全くもって分からない。隕石が落ちたら、自分たちだって無事では済まないはずなのに……。何か、自分だけは生き残る手段があるのかしら? だとしても、わたしは、世界が壊れればいいとは思わない」

 藤乃は、最後のトーストを飲み込むと、手を合わせた。

「ごちそうさま。美味しかったわ、キミの朝ご飯。今度はわたしが、和風のを作ってあげる」

 窓から差し込み始めた朝の日差しが、空気の中の埃を瞬かせる。その光の中で、藤乃は微笑んだ。


 


 鈴蘭たちの本拠地のソファの上。そこに、寝そべっている者がいた。長い髪が乱れていたが、それすらも涼やかに見えた。

「コノハさん」

「ああ、こころくんか」

 理人の弟、大橋 心は報告する。

「鈴蘭さんとヒガンさん、もう少しで、お兄ちゃんを回収して、帰ってくるそうですよ。それにしても、まさかお兄ちゃんが負けてしまうとは……」

「四天王でも、ヒガンの次に強かったのにな。ワタシなんかより、よっぽど強かった」

 しばし、沈黙が支配した。それを破るように、心が口を開く。

「そ、それ、腰に付けてるの、オスミウムネコのマスコットですか?」

「お、よく気付いたね。可愛いでしょ」

「僕も好きなんです。ちょっと触ってもいいですか?」

 どうぞどうぞ、と、腰から外す。

「うわぁ。この質量感、本物だ! イリジウムウサギより重い! 『大災厄』で製造中止になったのに、よく手に入りましたね」

「まあ、運が良かったんだ」

 その時、空間が歪み、鈴蘭とヒガンが現れた。

「理人くんは病院に送ってきた」

 開口一番、鈴蘭はそう言った。

「酷い刀傷だ。彼は戦線離脱だ」

「そうですか……」

 心は、オスミウムネコを返す。

「でも、僕がお兄ちゃんの分も頑張ります。お兄ちゃんは、名古屋の『壁』の崩壊を見てきた」

 名古屋市もかつては『城壁都市』であった。しかし『壁外』で起こった反乱によって『壁』が破壊され『壁外』となってしまった。十年前のことである。理人が、名古屋最強こそ日本最強と言ったのも、前代未聞のこの事件を乗り越えたという自負からくるものであった。

「僕は幼かったので、当時のことは覚えていません。だけど、お兄ちゃんは、色々なことを経験した。そして、醜い生物人類は地球上に要らないと判断した。だったら、僕はそれに従います」

「ありがとう。心くん」

 鈴蘭は、心の頭を撫でた。

 顔を赤らめて、心は鈴蘭から離れた。

「そ、そう言えば、コノハさんやヒガンさんは、なんで人類を滅ぼそうとしているんですか? まだ聞いていなかった気がします」

「ワタシは、人類滅亡そのものよりも、その過程の方が面白そうだからだ。遠足より、その前の準備の方が楽しいみたいな感じだ」

「俺は姫に従うのみだ」

「姫じゃあなくて、指揮官だって、言ってるでしょ」

 鈴蘭は腰に手を当てる。

「わたしは、人類は『お別れの時』が来たから滅ぼす。それだけだよ」

 鈴蘭は語る。

「全てのものは出会いと別れ。この世界に生まれて、誰かと出会って、死んで別れる。それが、この世界のルール。行商人だったお父さんに連れられて、日本全国を旅して、わたしはそれを知った。『壁外』を行くために雇った用心棒は『壁内』に辿り着く頃には死んでいた。『城壁都市』でできた友達も、もう一度そこを訪れた時には死んでいた。そしてお父さんも、わたしを残して死んだ」

 鈴蘭は、みんなを見回す。

「遥か昔、竜が隕石で地球上から去ったように、人類も『お別れの時』が来た。わたしを含めた全ての人類は、次の生物に、時代を譲る時が来たんだ」

 演説が終わり、パチパチと、拍手の音が、魔力蛍光灯の灯る本拠地に鳴り響いた。

 たった三人だったが、鈴蘭にはそれが、万雷の拍手に聞こえていた。

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