第2話:やる気のないメイド。

「あ、こんにちは、愛川 メイサですぅ」


ってそのメイドさんは俺にお辞儀した。

歳の頃なら二十歳くらい?

でも、メイド衣装のスカートがまじ短い・・・うんこ座りしてるからパンツが

見えんじゃん。


メイサちゃんは髪が金髪にツインテール、可愛い定番の髪型だった。

で彼女の可愛いエキゾチックな顔立ちを見て思った・・・あ、ハーフかもって。

間違いなくハーフ・・・名前もメイサだし・・・。


「あのさ・・・君、ハーフ?」


「ドイツと日本のハーフです」


「あ〜やっぱりね・・・」


(いいんじゃね、ハーフのメイドさんなんて)


「あのさ・・・俺、まじでレンタルメイドに登録した覚えないんだけど」


「間違いなく竹内さんの個人データ残されてます」


「あのそれキャンセルとかできないの?身に覚えのないこと受け入れるわけ

にはいかないんだけど・・・」


「すでにレンタル契約成立してますからね」

「キャンセルする場合はキャンセル料かかりますけどぉ」

「でも、お望みだったんでしょ?・・・私がご主人様のメイドになること」


「まあ、メイドさんには来て欲しいって思ってたのは事実だけど・・・」

「まったく記憶にないんだよね・・・」


もし俺がシラフだったとして、なにがあったかを検証するとだな。


俺はどうやら前の日の金曜日に飲み会に誘われて、いい気分で酒に酔って

ヘベレケでマンションに帰って来て会社の伊藤さんに教えてもらったレンタルメイド

さんのサイトを検索したらしいんだな。

心のどこかにレンタルメイドのことがひかっかってたんだろうな。

そこでフェアリーテールに登録したらしい。


客からの要望があれば女の子「メイド」が自宅に出張してくれる。

で、並み居るメイドさんから俺は自分のタイプの子を選んで指名したらしい。


その指名した相手のメイドさんが「愛川 メイサちゃん」だったと・・・。


「あのさ・・・レンタルだからタダじゃないよね」

「はい、料金はかかりますけど・・・タダなんてそんなラッキーなこと

ないんですよ世の中・・・」


「ちなみにレンタル費用いくら?」


するとその子は自分のスマホを出して料金確認をした。


「通常、90分で2万円ですけどキャンペーン中なので90分1万8000円です」

「その他、追加オプションがつくと一回につき5000円アップです」

「あとイベント参加・食事の費用 などはお客様持ちでお願いします」


「まじで?・・・90分で1万8000円ってぼったくってない?」

「それに追加オプションってなに?」


「たとえばハグしたり・・・チューしたりとかです」

「あと下着を見せるとか・・・ちなみに性的サービスは行ってませんから」


「ハグやチューって性的サービスにはならないんだ・・・」


「性的サービスって言うのは・・・その・・・あの・・・」


「言わなくても分かるよ・・・エッチはしないってことだよね?」


「わ〜言っちゃったぁ」


「分かった・・・俺が君を指名した訳分かった・・・君は俺のタイプだわ」

「しかたない、じゃ頼もうかな」


「これからでもいい?・・・俺のマンションに来てくれる?」


「分かりました、よろしくお願いします」


「じゃ〜行こう」

「ん?・・・・・」

「あ、あのさ・・・メイサちゃん伸びるから服、引っ張らないでくれる?」


「だって・・・迷子になっちゃいそうなんだもん」


「俺について来たらいいんだから、迷子になんかなるわけないでしょ?」


「じゃ〜・・・ブツブツ・・・」


「なに?声が小さくて聞こえない」


「じゃ〜ショーちゃん〜お手々、つないでいい?」


「ショーちゃん?」


「ショーちゃんでしょ?・・・間違ってないでしょ?」


「うん、まあたしかに・・・だけどいきなりショーちゃんって、フレンドリー

な子だな」


「ショーちゃん手をつないでいい?」


「今度は声がデカいよ!!・・・鼓膜に響くわ・・・なんでも加減ってもんが

あるだろ?・・・」


「お手々、つないで?」


「お手々?・・・ああ・・・いいよ」


お手々って・・・この子の脳みそ幼稚園児レベルか?

大丈夫か?こんなんで、レンタルメイドなんか務まるのかよ、不安だな・・・。


「メイサちゃん、これから電車に乗るからね」

「電車に30分、バスに10分くらい乗って、そこから歩き15分くらいで僕の

マンションにつくから ・・・」


「え〜そんなに歩くの?」


「あのね、メイサちゃんがもう少し俺のマンションの近くに来ててくれたら

もっと早くマンションに着いたの・・・」

「それに歩くのたったの15分なんだから・・・そのくらい頑張れるだろ?」


「無理です〜・・・ブツブツ」


「だからさ・・・声が小さいって」


「歩けません!!・・・」


「まじか?やる気のないメイドだな」


つづく。









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レンタルメイドさんレンタルしてみたけど・・・(ー ー;) 猫野 尻尾 @amanotenshi

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