秋霜

※もろ自傷行為です。ご注意ください。


手には、綺麗にプラスチックで包装された、カッターと包丁。どちらが良いだろうか。よく切れるのは断然包丁だが、ざっくりいくのを見るのは怖いからカッターでもいいような気がする。

包装を解く。テープを剥がしたときの、セロハン独特の匂いが広がる。この匂いは、嫌い。

今日こそ死のう。手首に刃を出したカッターを当てる。金属の冷たさが嫌に強く感じられて、動悸が高鳴る。

ぷつっ、と皮膚が金属によって裂かれる。赤い液体が、肌と刃の先を伝っていく。

「…っ」

裂けた部分が、内側からじんわり熱くなる。見ていると余計に熱くなっていく気がする。この感覚が、自分に似つかわしいような気がして、心地よかった。

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