第20話

「とりあえず、お疲れ。」



「本当に疲れたよ。」



私は耳をすませて、さっきの肉食系女子がいないことを確認した。



「大丈夫そうだね。もう外へ出ない?」とヒイロに尋ねた。




「ちょっとだけ様子をみさせて…」




ヒイロが心底まいった顔をしていた。

ここから出たら、あの女子たちの餌食になるやもしれない。




が、この体勢はきつくない。




倉庫にあった腰掛用の椅子にヒイロが座っていて、彼の片足に私が座っているという……




なんとも不安定なこの状況。




「ねぇ、少し動いていい?」

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