第16話

ここのスタッフたちは、私とヒイロが兄弟だと知らない。



私も周囲にヒイロとシグレが兄弟であることを言わなかった。



家の中では、2人とよく話す。



でも、私は一歩外に出ると2人から距離をおくようになった。



ヒイロも優れた容姿のせいで、芸能科に入り、その才能をカメラの前で十分に発揮しているせいで、ファンが多い。



そして、『No name』のメンバーが家族だとばれたら、普通科に通う平々凡々の私は集団リンチに会う羽目になる。



隠し続けるのが一番いいという結論に達していると、ヒイロの撮影が一段落して、スタッフ一同は休憩に入った。



すると、ヒイロが私の近くに来た。



私は、自分の仕事の範囲内でしかヒイロに接しない。




「お疲れ様です。」

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