第15話:黄泉比良坂での再会。
遊月が現れた場所にはデカい門があって、その門の屋根の下に表札みたいな
ものがかかっていて、そこに「
「ここが黄泉比良坂の入り口」
「黄泉の国に通じる女妊洞って洞窟ね」
「異界神獣鏡は直接黄泉の国には飛べないから、ここからは歩きね」
「たぶん、遊星はまだ黄泉の国には行ってないと思うから、きっとこの洞窟を
抜けたどこかにいるはず・・・」
長い「
遊月は三日月丸の切っ先に明かりを灯して各部屋の扉を開いては遊星を探した。
とある部屋の前に止まった時、三日月丸がブルブルって振動した。
「ここね・・・でも、わ〜派手な部屋ね・・・ヤラしいホテルみたい」
「遊星・・・きっとこの部屋にいるんだ」
遊月がその派手目の部屋の扉を開くと、中に数人の人がたむろしていた。
誰が誰だか分からないから遊月は遊星の名前を呼んだ。
「遊星、いる〜?」
「遊月ちゃん?」
遊月は三日月丸を声のしたほうに近づけると、ぼ〜っと遊星の姿が浮かび
上がった。
「遊星・・・よかった・・・助けに来たんだよ」
「よかった〜もう遊月ちゃんに会えないかと思ったよ・・・まじ死んじゃうんだ
もんな・・」
「のんびりはしていられないの、早く現世に戻るよ、この塔から出たら死霊や
魍魎たちにすぐに見つかるから追いかけられるとやっかいだからね」
「俺、遊月ちゃんとイヤってほどエッチしなきゃ死ねないよ・・・このまま寂しく
あの世に行くのかなって思ってめっちゃ落ち込んでたんだ」
「エッチって・・・遊星、ひとりで帰れそうなくらい元気じゃない」
「そうでもないけど・・・」
「こんなとこでのんびりエッチなんかできないんだからね・・・」
「もし、私たちが現世に戻れたら考えてあげる・・・さ、行こう」
「遊星、黄泉比良坂の門のところまで戻るからね、そこで儀式をやるから」
「儀式?」
「遊星を生き返らせる儀式・・・今のまま魂のまま現世に戻っても意味ないでしょ?」
ふたりは女妊洞を来た方に戻っていった。
「遊星・・・私のお尻にしがみつかないでくれる?・・」
「だって・・・ハグれちゃうと困るし」
「一本道なのにこんなところでハグれるわけないでしょ」
「私のお尻触りたいだけだよね」
「バレた?」
「そんなこと、現世に戻ったら好きなだけ触らせてあげるから 」
「この洞窟長いな〜・・・まだ続くのか? 」
「だから〜お尻の穴に指突っ込まないでってば!!」
「お願いだから、まじでしないでって言うか、もう・・・私と入れ替わって」
「いいじゃん、自分の彼女の尻なんだから・・・今、触っとかないと現世に
帰れないかもしれないじゃん」
「帰れます・・・かならず帰れます」
「あまりしつこいと恋人解消だからね」
「分かった・・・遊月ちゃん、俺の後から来て・・」
「遊星、おならしないでよ?」
「出ちゃったらごめんね」
そんなことで揉めてるうちに女妊洞を抜けてデカい門のところまで出た。
「出たわよ、さっそくここで遊星を生き返らせるから・・・」
「遊星が首から下げてる勾玉貸して」
遊星は遊月の言うままに勾玉を彼女に渡した。
「その勾玉でなにするの?」
「この勾玉、死返玉(まかるがえしのたま)って言って勾玉を握って呪文を
唱えると死人が生き返るって、とっても重宝な勾玉なの」
「へ〜そんな奇跡みたいなことできちゃうんだ」
つづく。
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