第13話:死んじゃった遊星。
「許嫁?・・・この人が?遊月ちゃんの許嫁・・・こんなダサいおっさんが?」
「で、なんで遊月ちゃんの許嫁がここにいるんだよ」
「遊月が高天原に帰って来ないから、心配で見に来たのだ」
「見に来たって?・・・」
「おまえとのことは遊月から聞いた・・・すいぶん世話になったようだな、
だが気の毒と思うが遊月は、私の許嫁・・・おまえに渡すわけにはいかん」
「え?遊月ちゃん、高天原に帰っちゃうの?」
「う〜ん、一度は帰って決着つけなきゃいけないかな・・・」
「遊月、決着とはなんだ・・・神代の時代から私と結ばれる定めであろう?」
「今も神代だがな・・・」
「あのね、遊星とは勾玉を渡しちゃった時点でもう切っても切れない仲に
なっちゃってるの」
「それに・・・もう契りだってとっくに結んでるし・・・」
「契りだと・・・なんてことを・・・」
「遊月ちゃん・・・契りってなに?」
「遊星はなに言ってるの・・・もうエッチしちゃってるってことだよ」
「勾玉の呪文通りになってるの、私たち」
「呪文のとおり?」
《月の夜に我と遊び、我と戯れ、我と契りを結ばん》
遊月は世戸ちんに聞こえないように流星に耳打ちした。
「ああ、なるほど・・・契りね、ってまだエッチしてないけど・・・」
「え〜いなにをごちゃごちゃやっておるのだ・・・こ、こんな男と契りを
結ぶなど・・・許せん!!」
そう言うと
雷なんか食らった遊星は感電してバタンキューで一瞬にあの世に行って
しまった・・・あっけなく。
「世戸ちん、なんてことするの、バカ」
そう言って遊月は遊星に駆け寄った。
「遊星、息してないよ・・・死んじゃってるじゃん」
「これで思い残すことはなかろう・・・相手がおらんではな」
「それって逆だよ・・・こんなことして私が高天原に帰るって思ってる?」
「もう、あんたとは絶縁・・・許嫁解消」
「とっとと高天原に帰って!!」
「だが、その男が死んでおるでは他に選択の余地などなかろう?」
「あるよ・・・私、黄泉比良坂まで行って遊星を連れ戻して来る」
「死んだ者を生き返られるなぞ、できんぞ?」
「できるよ・・・異界神獣鏡があれば黄泉まで行けるんだよ・・・知らなかった?」
「そのようなものどこにあるのだ・・・黄泉に行ける鏡など聞いたことがないが」
「あるの・・・でもあんたには教えない・・・絶対」
「遊月の許嫁、
しまった。
「
うよ・・・私にそうさせないで」
って三行半を食らった「
遊月は、あの世の入り口黄泉比良坂まで遊星を連れ戻しに行くため異次元を超える
ことができるって言う異界神獣鏡を借りるため高天原の自分の師匠「
「なんじゃ遊月、私に報告もなしに人間界に勝手に行きおって・・・」
「あげくに人間になどうつつを抜かしておるとは・・・すべて
「
「で、そなた
「
「はい、
「そんな人と一緒にはなれません・・・許嫁解消です」
「ですから、私、あの人を・・・遊星を救い出しに黄泉比良坂まで行きたいんです」
「まだ黄泉の国には行ってないと思いますから・・・」
つづく。
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