第9話:姫巫女様の衝撃的告白。
ここで遊月が遊星に渡した勾玉のことに少し触れておこうかな。
そもそも、その昔、予備はびこる魑魅魍魎を倒すため人間と神霊は協力するため
繋がっていた。
人間の召喚士が神霊を喚び出するために使われたのが勾玉なのだ。
今の世は魑魅魍魎に悩まされることなく平和だから、勾玉の本来の目的は
失われて半ばアクセサリーのようになっている。
でも遊月の勾玉を持ってる召喚士の立場で遊月が喚び出される立場の関係なのだ。
だから遊星が勾玉を持ってる間はふたりは切っても切れない仲になっていた。
ちなみに遊月の勾玉は
もう一つの役目を持っていたのだ。
「遊星にうかつに勾玉を渡してしまった遊月は遊星とは勾玉を返してもらうまで
離れられない。
「遊星は勾玉に関係なく遊月のことをとっくに好きになってたから改めて遊月は
遊星からはっきり恋人になって欲しいって告られた。
でも遊月にはどうしても気になることがあって、いい返事はしなかった。
「遊星のその気持ちは嬉しいんだけど、実はね・・・遊星ショック受けちゃうと
いけないと思って黙ってたんだけど」
「言っちゃうとね、私、高天原に
「なに?いいなずけ?・・・うそ?」
まじでの上にまじでが乗って・・・でもってもう一個まじで、が乗ったくらい
流星には衝撃的な遊月の告白だった。
そんな耳を疑うような告白を聞かされて遊星は、体から一気に力が抜けていく
のを感じた。
「遊月ちゃん今、いいなずけって言った?」
「俺と遊月ちゃんの間に障害なんてないと思ってたのに・・・終わった・・・
俺の人生終わった・・・」
「あのね、ちゃんと説明聞いて?」
「私たちの住む高天原にも、なにがしか悪い神の存在があるの・・・」
「どんなに平和を保っても、ゴミのようにかならず悪神は現れるのね」
「悪神は基本的に抹消することはできないから現れる度に神々は協力して
封印してきたの」
「それはもう何万年と続いてることなんだ」
「神の力も万能という訳じゃないからね」
「神の持つ力は、本来男女の結びつきによって増幅しより強固なものになるの」
「ひとりよりふたりのチカラ」
「だから男女が契りを結ぶことによって自身の持てる力をより強くして防御力を
高めるの」
「そうやって悪神を封印してきた歴史があるんだよ」
「そう言うことだからね、高天原の男女の婚姻は子供の頃から定められているの」
「分かった?遊星」
遊月が一生懸命説明してくれたが遊星の耳には半分も入ってなかった。
「その結婚の相手って、よく知ってる人なの?」
「その人のこと遊月ちゃんは愛してるの?」
「はいよーく知ってるよ、でもその方に対しての私の愛情はないの」
「ただ定められた相手ってだけ・・・だからその人には勾玉を渡さすことは
なかったの」
「そんな知らない男と、愛情もない男となんで一緒になる必要があるの?」
「おかしいよ」
「たしかに俺だって遊月ちゃんのこと片想いかもしれないけど誰にも負けないくらい君のことが大好きだし、愛してるよ」
「俺は納得できないよ・・・どうしてもその人と結婚しなくちゃいけないの?」
「しきたりだからね・・・従わないと・・・」
「そんなの絶対おかしい・・・考え直せない?」
「遊月ちゃんだって好きじゃない人と結婚なんかしたくないだろ?」
「そうだけど・・・」
「遊星は私の勾玉持ってるからね、許嫁との関係より絆は大きいから・・・」
「私が遊星を受け入れても、私の許嫁がなんて言うか・・・」
「もしかして私が高天原に帰らないと、向こうから私を探しにやって来るかもね」
「俺は、そいつと戦うぞ・・・接待負けないし遊月ちゃんは渡さない」
「遊星・・・めっちゃ残念だけど、許嫁に負けるよ遊星・・・」
つづく。
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