第10話:料理はまるでダメそうな姫巫女様。
遊星の部屋から目覚まし時計はもういらなくなった。
遊星と遊月は昨夜一緒のベッドで寝たから朝は遊月が遊星を起こした。
「俺・・・今日、学校休む・・・勉強なんかしてられないっつうの」
「え?休んじゃうの?、学校?」
「あのね、学校に俺がいなくても誰も気にしないから、たとえ死んだとしても
誰ひとり心配なんかしないからね」
「だからいいの・・・俺にとって学校より遊月ちゃんといることのほうが大事
だから・・・」
「私と一緒にいるほうがいいなら、無理やり学校に行けば?って言えないね」
「じゃ〜今日は私とニャンニャンして過ごそう」
「そのニャンニャンって?」
「ニャンニャンはニャンニャン」
「あの、その意味分かって言ってる?」
「和かんない・・・可愛いから言ってみただけ」
「そうだよね・・・知ってて言ってるなら、ちょっと問題発言かも・・・」
「なにが問題なの?」
「分かんないなら、それ以上追求しなくていい」
「じゃ〜なんて言えばいいの?」
「そうね・・・ラブラブってのはニャンニャン同様、現段階じゃまだ早いし・・・」
「とにかく、なんでもいいから、仲良く過ごせばいいと思うけど・・・」
「外にデートに出るとか映画観に行くとかアミューズメントパーク?あと
水族館に・・・美術館及び博物館に・・・ゲームセンターとか・・・」
「まあ遊月ちゃんといられたら俺はどこだっていいんだけどね」
「ん〜私は、今は外には出たくないかな・・・」
「おうちでイチャイチャして過ごしましょ」
「イチャイチャってのも意味深だな・・・」
遊月は遊星が座ってるキッチンテーブルの椅子の横に、別の椅子を持ってきて
遊星の真横に置いて座った。
で彼の顔に自分の顔を近づけて言った。
遊星が少し、顔を前に出したらまじでチューできそうなくらいの距離。
「朝食、作ったから食べて?」
そう言った遊月の息が流星の顔にかかる。
「あ、ありがとう・・・遊月ちゃん、めちゃ近いんだけど・・・」
「た〜べ〜て〜」
「なんか企んでる?・・・いじわるそうな顔してるけど・・・」
「食べないの?」
「はいはい食べるから・・・遊月ちゃんが作ってくれた朝ごはんだから、
食べてあげなくちゃね」
ご飯は?・・・まあ少しベチャついてたけど食べられるたみたいだ。
味噌汁は・・・・?
おかずのサラダは・・・・?
遊星は、まず味噌汁を飲んだ。
とたん吐き出しそうになったのを、無理やり飲み込んだ。
(め、めちゃ不味いけど、不味いって言えない・・・・あとで胃薬飲んどこう)
「どう?美味しい?」
「う、うん・・・お、美味しい」
「遊星、顔色悪いよ?」
「あのさ、遊月ちゃん・・・明日から朝食の支度は俺がするから君はゆっくり
寝てていいからね・・・俺の大切な彼女だし・・・」
「毎日作るよ、私」
(いやいやいや、毎日こんなもの食わされたら・・・)
「いいって・・・僕が作るから・・・」
「なんで?・・・もしかして不味かったの?」
そう言うと遊月ちゃんは味噌汁が入ったお椀を取って味を確かめた。
さすがに自分でもこれはダメだって思ったんだろう。
「ひどいね、これ、誰が作ったの?」
「君だけど・・・・」
つづく。
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