第8話:エ・エ・エ・エプロン姿。
遊星が引き止めるので遊月はもうすこし、お邪魔しててもいいかなって思った。
もともと地上で彼氏が欲しかった遊月は偶然出会った遊星に興味がなかった訳
でもなかった・・・。
「しょうがない・・・じゃ〜もう少しだけいるから・・・」
「みなさん、お邪魔しますぅ〜」
「誰もいないよ・・・おかしな遊月ちゃん」
「いいえ、どこの家にでも家の神様がいるんだよ」
「へ〜そんなもんなんだ」
「ちゃんと感謝しないとバチが当たっちゃうよ」
「どんなものにでも神は宿ってるんですからね、
「じゃ〜家のどこかで神様が見てるってこと?」
「そうだよ・・・だからエッチいことなんかできないんだよ」
「はあ?・・・エッチいって、そんなこと考えるわけないじゃないですか?」
「遊星のほっぺにはっきり書いてるよ・・・アルファベットの8番目の文字」
「え?うそ・・・そんなアルファベット誰が書いたんだ?」
「遊月ちゃんの妄想だよ、それって」
「なんでもいいからさ、とりあえず飲み物でもとってくるから・・・」
「もう遊月ちゃんは油断も隙もないな・・・・俺の心見透かされてるし・・・
するどい姫巫女様」
で、その夜はなにごともなく過ぎていったのは言うまでもない。
いくらなんでも今日あってすぐにエッチはないだろ?
というより遊星に遊月をどうこうしようなんてそんな勇気ないから・・・
小心者でヘタレだからね。
遊月は少しだけって言っておきながら、結局その夜遊星んちに泊まった。
遊星はソファで・・・レディの遊月は遊星の部屋のベッドで寝た。
遊星は自分の家に遊月がいるってだけで、ドキがムネムネしてなかなか
眠れなかった。
その点、遊星より神経が図太い遊月はすぐに眠った。
遊月は爆睡、遊星は眠れない状態でその夜は静かに過ぎ去って行った。
そして次の朝、遊月は台所に立っていた。
「あれ、もう起きたの?遊月ちゃん・・・おはよう」
「なにしてるの?」
「おはよう、遊星」
「夕べ、泊めてもらったから、お礼に朝食でも作ろうかと思いまして」
「って言っても簡単なものしか作れないんだけど・・・」
そう言って遊月が振り向いた。
「おおおおおおおお〜〜〜エ・エ・エ・エプロン姿・・・もうめちゃ可愛い」
「たまんない・・・どうしよう?おしっこチビる・・・」
遊月はエプロンなんだけど、胸の上まである割烹着に近い可愛いフリルのついた
エプロンを着ていた。
「あ、あのさ・・・そんな可愛いエプロンどこから持ってきたの?」
「あの・・・制服よりエプロンのほうがメイドさんみたいでいいよ、遊月ちゃん」
「遊星はそう言うのが好みなんですね」
「って言うかコスプレ大好きだから・・・」
「あのさ、今更なんだけど・・・俺、誰にも負けないくらい遊月ちゃんのこと
好きだよ」
「君に命を救われた時から俺の遊月ちゃんに対する気持ちははじまったんだ」
「ずっと友達なんて嫌だな・・・片想いのままなんて嫌だな」
「そんなこと・・・だって私はいつか神の国に帰っちゃう身だよ」
「私を好きになっても待ってるのは悲しい結末だけだと思うけど」
「なんでそんな切ないこと言うんだよ・・・せっかく遊月ちゃんと知り合えた
のに・・・ショックだよ 」
「またまたショックなこと言うようだけど、そもそも神様とか巫女とか、みんな
プライド高いんだよ」
人間を彼氏や伴侶に持つことなんてありえないもん・・・」
遊月のその言葉は、私をいくら想ってもあなたには希望なんてないんだよって
言ってるようなものだった。
そんなこと言って遊月は人間界に彼氏を探しに来たのに、言ってることが矛盾
していた。
だけど、そこは遊星・・・そんなことじゃめげたりしない訳で、ヘタレなくせに
こと遊月のことになると人格が変わるくらい献身的だった。
つづく。
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