第5話
「どうした?騒がしいが、なにか問題あったのか?」
その言葉とともに、現れたギルドマスターを見て、ガルドは、真っ青な顔をしていた。
ギルドマスターは、それぞれの街でそれ相応の権力を持っており、その一つに、冒険者の資格剥奪があり、一部の例外以外、簡単にそれが行われる。冒険者は、信用が第一、もし資格を剥奪されたら、どこからの信用も失って、再就職は難しい。
「ぎ、ギルドマスター、何もあませんよ、どうぞ仕事に戻ってください。」
ガルドは、ごまかすようにそんな事をいう。
「でもなあ、もうきょうに仕事は終わってしまってな、暇なんだよ。で、お前何ヤッてんだ。」
その言葉に、ガルドは、この世の終わりのような顔をしていた。
「あ、あのですね、えーっとそのあー、はい。」
ガルドはなんとかして言い訳しようとしていたが、言葉が出ずにそのまま黙りこくってしまった。
「知ってるよな、ガルド。俺含め、ギルドマスターは、勇者御一行には滅多なことがない限り、味方することが義務になってるんだよ。お前は、甥だから優遇してやったがな、それにかこつけて遊び歩いて、勇者パーティーに喧嘩を売る。正直、そんなやつだとは思っていなかったが、こればかりは見逃せない。お前はギルドから永久追放だ。そして、もう俺はお前の顔も見たくない。さっさと消えろ。」
ギルドマスターの言葉は絶対。話の先が読めていたかのように、ギルドの事務員がガルドの登録を削除し、これでガルドはほぼ仕事につくことができなくなった。
「もういい、だが質問に一つ答えてもらうぞ、レオン。おまえはどうやってあのダンジョンから出られたんだ?」
「おい、ガルド。お前は無駄なおしゃべりはしてないでさっさと出ろ。」
「お前が何を聞きたいのかよくわからないがな、ガルド、俺達はずっと最下層にこもっていたぞ?」
「はあ?」
あいつがおかしなリアクションを取った次の瞬間、ついにブチギレたギルマスがガルドをぶん投げた。
「よし、これで解決だな。よし、アイシャ、今度こそワープよろしく。」
「はいはい、あのゴミのことはほんとにあれだけで良かったの?私なら火山の火口に送り出すけど、」
「いいんだ。そのほうがあいつはもっと苦しむ。一度に大量の苦痛が押し寄せてくるよりも、それなりの苦しみが長く続く方が、よっぽど苦しいだろう?」
会話が終わると、すぐにアイシャは転移魔法を起動して、目的地の山まで一瞬で行くことができた。
—————————————————————————————
要するに、苦痛のリボ払い
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます