第4話
「おい、なんでお前ら生きてんだよ。」
俺達が拠点にしていた町の隣町のギルドで、引き受けた依頼の説明を受けていると、どこかで聞いたような白魔道士の驚いたような声が聞こえてきた。
どうせ、絡まれるだけだから無視しよう。
「よし、じゃあ依頼の魔物を狩りに行こうぜ。できるだけ早くしたほうがいいから、アイシャ、魔物が出るという山までワープお願いできるか?」
俺の言葉にアイシャは答える。
「大丈夫よ、地図で大体の座標は把握しているから今すぐでもいいわ。」
「山の中にワープとか早めてくれよw」
「あら?私がそんなヘマをしたことがあったかしら?」
そんなふうに雑談していると、誰かさんからはっきりと声かけられた。
「おい!レオン、ウッド、アイシャ、リース!そしてそこにいる売女!お前ら死んでんじゃないのかよ。あの女は何なんだ?どうしてここにいる。」
げ、絡まれた。無視し切ろうと思ってたのに、名前で呼ばれたからには反応しないわけにもいかない。
「ば、売女とはなんですか!私はこの人たちに正式にパーティーメンバーとして雇われた、勇者パーティーの白魔道士です。赤の他人は口を出さないでください!」
ユーリの剣幕にエセ白魔道士くんは押されたが、引かなかった。
「勇者パーティーの白魔道士は俺だ!臨時で雇われただけの雑魚が出しゃばってんじゃねえよ。」
その言葉に、アイシャとリースはブチギレた。
「ねえ、あんた自分がレオンになんて言われたか覚えてないの?黙ってなさい。」
「あんたなんかよりも、この子のほうがよっぽど優秀なのよ?あんたレベルいくつだっけ?この子はレベル100。雑魚はあんたの方よ。そのへんのモブが私達に話しかけないで頂戴。」
「は?レベル100?適当言ってお前らを騙しんだよ、やっぱりお前らは俺がいないと何もできないんだな。」
アイシャ、リースとモブくんたちがレスバを繰り広げていると、だんだんギルド内に他の冒険者たちが入ってきて、あいつ何やってんだ、みたいな空気でそれを眺めていた。
「ねえ、ガルドくん。あなた勇者パーティーを円満退社したんじゃないの?もしかして、私達のこと騙してたの?」
どっかから出てきた女性冒険者がガルドに聞く。あいつは、一体どれだけ俺達に迷惑かけたら気が済むんだ。
「どういうことですか?ガルドは、見かねてパーティーから追放したのですが、どのように伝わっているのですか?」
「実は…」
話を聞いていると、あいつは、自分から何も問題なくパーティーを抜けたと言っていたらしく、さっきの会話を聞いていて、矛盾してることに気づいたらしい。
「どうした?騒がしいが、なにか問題あったのか?」
その声とともに現れたのは、この街のギルドマスターだった。
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