第15話

「ところで絲様」と藍が話題転換をする。



「なに?」



「絲様はどのようにして赤ブレザーでご入学できたのですか?家柄で考えれば白に決まっているのに」



そう、私の実家は世界でも名を轟かせている花月ハナツキ財閥


私はそこの1人娘だ。



日本でも一二を争う有名財閥の令嬢が、この学園で赤ブレザーなハズがない。


けれど私は学園で赤ブレザーを着ている。これはつまりどう言うことなのかと言えば



「あのね、藍。この学園は結局お金なのよ。」



「と言うと?」



「学園側を買収して、身分を偽っているわ」


こう言うことである。


「……よく会長がお許しになりましたね」



花月財閥の現会長は私のお祖父様だ。



「お祖父様は私に甘いもの。お願いしたらなんでもやってくれるわよ」



「花月で1番恐ろしいのは実は会長ではなく絲様かもしれませんね」



「まあ、私の権力は私の積み上げてきたものではないけれど、使えるものは使えるうちに使っておいて損はないのよ」



「ええもちろん、その通りでございます」



七光りと言われようがなんだっていい。

使えるものは利用する。それが私流だ。

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