第8話

この学園は全寮制で、それぞれに部屋が与えられる。



ちなみに神と平民と家畜では与えられる部屋の豪華さは異なるので、もちろん塔も違う。



唯一私たちが一息つけるのは寮だけである。



「…ただいま」



自分の寮の部屋の扉を開ければ、そこに広がるのは1つのアパートのような部屋。



間取りは1K

そう、キッチン付きだ。



平民という中間層とは言え、十分過ぎる広さの寮部屋に最初は驚いたけれど平民は世間で言えば小金持ちくらいには認定されていて、比較的裕福な分類に分けられるわけだからまあ当たり前の待遇かと納得した。




「お帰りなさいませ。イト様」



アイ、今日は大丈夫だった?なんもされなかった?」



そしてそこで私の事を待ち構えていたのは黒いブレザーを着て長めの黒髪を後ろでひとつに束ねた美少年



「ええ、大丈夫ですよ。死ぬこと以外かすり傷ですから」




「またそんなこと言って…あなたのクラス2年A組はヤバい連中が多いと聞くわ。なるべく目立たないようにするのよ、」



藍の方が年上なのにもかかわらず、私に敬語を使うのは藍と私の間に主従関係があるから。



一応、藍は私の執事として私の実家で雇われている。というか私が勝手に雇った。




ここでは一般家庭の生徒以外にも、執事なども家畜に分類されるらしい

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