第6話 薬草採取のイベント②

 僕が1周目あまりレベルを上げられていなかったのはこのイベントで最初のメルが他のNPCを選んだからに他ならない。


 なので今回は本命の薬草採取のイベントを終える前に色々しておきたいと思っている。


 全ては推しの子マフユを守る為である。


 その為ならば勇者メルを利用することも厭わない。


「セリア、この道をまっすぐで良いんだね?」


 勇者メルがそう呟くので僕はこくりと頷く。


 しかし当然ながらあえて薬草のある森から抜け出そうと僕は画策している。


 いつもなら最短で抜けれる薬草のある場所までの道からだいぶ離れながらレベリングを行おう路しているのだ。


 既に序盤に出現するモンスターを数匹倒したのでレベルも少しだけ上がっている。


 だけどデスコーンを追い払えるようになるにはまだまだレベルが足りないのは事実だ。


(精霊術が使えないとしてもデスコーンを倒せるようになるのは終盤。序盤ここの時点で奴を追い払う実力をつけるには...)


 僕はそうぶつぶつ呟きながらも、例の場所にメルを連れて行くのでした。

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