第4話 天下安寧
天慶三年(940)、賀茂忠行の進言の下、東西の兵乱を鎮めるための白衣観音法が修された。修法の効験があったのか、朝廷の遣わした使者が平将門を討ち取った。その翌年には藤原純友も討ち取った。こうして、東西の兵乱が鎮まった。
冥府では、泰山府君が獄卒の人数を増やして規律を変えたので、冥官たちの不満は収まった。しかし、地獄では罪人の苦痛から生じる邪気が溢れかえっており、もはや冥府まで入ってきそうな勢いだった。
造暦の時期が訪れたが、暦博士大春日弘範は先年の造暦の論争により、権暦博士葛木茂経との共同作業を避けたかった。そこで、茂経の弟子の中で最も優秀な賀茂保憲が代わりに造暦に携わることになる。暦生が造暦に携わるのは異例のことだった。晴明は弟子として保憲の造暦を補佐した。
造暦の功績によって、保憲は暦得業生に昇格した。陰陽寮では、得業生に任じられた生徒は将来の博士職を約束される暗黙の了解があった。晴明は、保憲が博士になれば自分も陰陽寮の生徒になれると期待する。
泰山府君が地獄に満ちている邪気を調べたところ、地獄の奥底に強い邪気が渦巻いていた。白雪をはじめ冥界の神仙たちは対策を練ることになる。
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