第2話 弟子入り志願
収入のない満月丸は家人を手放すことになり、財産が尽きる前に身寄りを探さなければならない。満月丸は、家の奥深くに眠っていた金烏玉兎集を探し出した。一通り読んだ後、彼は陰陽寮で最も偉い陰陽頭に弟子入りを志願するが、断られてしまう。そこで、次に偉い陰陽助・賀茂忠行の許へ行くことにした。
夜が更けて、満月丸は忠行の車の後をついて行った。しばらくして、満月丸は鬼が近づいてくるのを目撃し、急いで忠行に知らせる。忠行は息子保憲と一緒に車を降り、物陰に身を隠して事なきを得た。満月丸は忠行に弟子入り志願し、試験を受けることになる。
一方、白雪は最近の死者に妖狐と契りを結んだ男がいたこと知る。野良の狐が人間を誑かすのはよくあることだと考えられていた。白面金毛九尾の狐のような存在が世を乱すことを危ぶんだ彼女は、祖神の泰山府君に妖狐の統括を願い出る。
満月丸は試験に合格し、保憲の弟子になった。忠行は家族を失った満月丸を憐れみ、賀茂の家に住まわせることにする。満月丸は金烏玉兎集で得た知識を披露し、保憲に将来有望な弟子だと思わせることに成功した。
数年後に満月丸は元服を迎え、忠行から「晴明」と名付けられた。
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