1日目

 まずは導入の確認から。自身の師匠……まぁ召異魔法を教えてくれた人だろうか、その人がつい先日亡くなってしまったらしい。

 葬儀を終えた後、悲しみや寂しさを紛らわせるためか、ともかく師匠の家を訪ねると、そこで偶然遭遇した冒険者の男から、一通の手紙を受け取った。

 師匠宛てのもののようだが、最早届くことはないものだ。唯一にして一番弟子の自分が内容を確認しようと考えて、ツィスカは封を切る。


「ええと、内容は……『昔なじみのよしみで力を借りたい。ひとまず、ヴァイスシティの私の家まで来てくれないか』、ね」


 差出人の名はエドワード・ラトリッジ。聞いたことはないが、文面から察するに、師匠の旧友なのだろう。


「来るはずのないお師匠様を待たせ続けるのも失礼ですし。弟子の務めとして、訃報を知らせに行くとしましょうか。……住所、書いてありませんけれど」


 差出人に送り返されず、きちんと届けられたということは、この世界この時代においては、差出人の住所の記載は規則に無いらしい。


 手紙を持ってきた冒険者曰く、この郵便は盗賊ギルドからの依頼だったとのこと。秘密にしておけと言われたんだが、と付け加えられたので、本当は隠し通すつもりだったらしい。

 すると当然、エドワードもそれを伏せたかったということになるが……どんな用件であるのかますます気になる。まずは詳細と住所を知るために、盗賊ギルドへ向かうとしよう。(パラグラフ配置/【56:ミルタバル神殿市場】→イ-A)(受注/『ミッション03:ミルタバル神殿の盗賊ギルド』)


 ◆ 1日目・12時 【固定A:新市街地】 ◆


 ということで。アルフレイム大陸の果て、コルガナの北端にあるヴァイスシティの入口にして南東部、【固定A:新市街地】へとやって来まして。

 街の手前を流れるビスクーネ河を渡る際、船乗りからなにやら帰る際の注意事項について教えられた気がするが、そんなもんは帰るときに再確認しよう。


「さて、ミルタバルの神殿は……西の方、だったかしら」


 『エピックトレジャリー』曰く、ミルタバルの神殿はその教義故か、盗賊ギルドを兼ねていることがあるらしい。仮にもカルディアに連なる神の神殿がそれでいいのか、と疑問を抱くところだが。

 まあでも、二剣の神を信仰している訳でもない賊が、神聖魔法を使ってくることもあるからな……この程度は「教義の解釈次第」で片付く範囲、なんだろうか。


 閑話休題。現在時刻は正午、目的の盗賊ギルドまでは早ければ片道2時間。多少寄り道しても、日が落ちるまでには到着できるだろう。

 悲しいことに路銀の余裕がない今、寝泊まりする場所と、まともな食事を確保し続けるのも困難なので、簡単な依頼を求めて冒険者ギルドを覗いていくことに。


「〈黄金の盾〉……この街には不似合いな店名に思えますけれど」


 毒を吐きつつ、市街地で唯一の冒険者ギルドの扉を開く。そのまま冒険者登録を行う(無料)と、早速仕事の話を切り出された。

 【36:時計塔屋敷】の管理人が、屋敷の周辺に出没している通り魔を退治してくれる冒険者を探しているらしい。


「通り魔、ねぇ……噂に違わず、物騒な街ですことで」


 断ってもいいらしいが、このタイミングで受注しないとミッションごと消失してしまうそうので、受けるだけ受けておくことに。(パラグラフ配置/【36:時計塔屋敷】→ウ-D)(受注/『ミッション04:ティエラの困り事』)

 ……よく見ると、推奨レベル:2~3とある。デモルラを取りたいがために、レベル1でのスタートにしてしまったが、ティエンスの基礎ステに物を言わせればなんとかなるか……?

 まぁ、ルート的にはだいぶ寄り道をしないといけないので、やるにしても神殿からの帰り道でか。

 他にはどんな依頼があるかな……薬草積み、金目の物集め、神殿の調査、コロッサスの調査、etc……どれも、条件を満たしたら報告しに戻ってくればいい感じか。ひとまずはメモだけ取っておこう。


 他に街でやることと確認すべきことは無さそうなので、そろそろ出発しよう。西門から出て、まずはイ-Bのブロックへ。(パラグラフ配置:【34:死にたがりの亡者亭】→イ-B)


 ◆ 1日目:13時 イ-B【34:死にたがりの亡者亭】 ◆


「〈死にたがりの亡者亭〉……これはこれで、この街の常識や価値観を疑ってしまいますわね」


 門を抜けた先の通りにあったのは、髑髏を象った悪趣味な看板に、堂々と掘られた物騒な店名。なかなかに攻めの姿勢を見せているが、ヴァイスシティ的にはこれがスタンダードなんだろうか。死にたがりどころか、日常的に死人出てるらしいし。

 別に自殺願望も破滅願望も無いし、酒も煙草も好きではないが、様子を窺うくらいはしていくか。


「う……まだ日も高いというのに、盛り上がっていますわね」


 あまり広くない店内には、アルコールとヤニの匂いが充満していた。十個ほどのテーブルが適当に並べられ、既に出来上がっている飲んだくれがまばらに席を埋め、思い思いに騒いでいる。

 ひとりだけの女給が忙しそうに店内を駆けているのは、店が繁盛しているのか、それともただの人手不足なのか。とりあえずなにか仕事がないか、やさぐれた雰囲気をした店主の男に聞いてみる。


「ご機嫌よう。随分と繁盛していますわね」

「あ?あぁ……繁盛はしているが、悩みがひとつあってね」


 すると、浮かない顔、そして溜め息と共に、一枚のチラシを差し出される。「女給募集」と書かれていることから、どうやら忙しそうな理由の正解は、人手不足の方らしい。


「あの子……看板娘のアンジェラが、十六日に結婚式を挙げたら、そのまま退職になるんだ」

「あら。寿退職、というやつですのね」

「あぁ。だがそうなったら、俺一人で切り盛りしなくちゃならんし、あの子目当てで来ていた野郎どもの客足も遠のいちまう……ってことで、どうだ。嬢ちゃんは興味無いか、この仕事」

「あいにく、別の仕事でこの街に来ておりますもので。それが片付いたら、考えないこともありませんけれど」

「そうか。まぁいい、それならもしも、新しく女給になってくれそうな奴を見つけたら、教えてくれ」


 そう言われ、チラシを受け取る。なお、自分が女給になる、という選択肢は見当たらないので、バイトをさせてもらえる訳ではなさそうだ。(受注/『ミッション11:女給募集』)

 次の女給候補に心当たりが無いかを、早速この場で聞き込み調査できるようだが、必要な達成値は2dで10以上。50ガメルごとに達成値を+1できるが、それをするための金が無いのである。

 聞き込みに必要な時間も惜しいので、この件は一旦忘れて、店を後にすることに。


「すっかり話し込んでしまいましたわね……何も言われませんでしたけれど、なにか頼んだほうが良かったような気もしますわ」


 話を聞くついでに世間話や愚痴にでも付き合わされたのか、一時間ほど経過していた。何も頼まずに一時間も居座って良かったのかな。

 でも今、フレーバーの食事代ですら惜しいからな……すまん。


 ◆ 1日目:15時 イ-A【56:ミルタバル神殿市場】 ◆


 大きな三角形の建造物を中心に、市場と雑踏が広がっている。

 おそらく、中心の建物こそミルタバル神殿、そして盗賊ギルドなのだろう。であれば、早速向かってみるか。

 ……と思いきや、到着時点でミッションが進行するらしい。内容を確認する。


「賑やかというか、騒がしいというか……なにかあったのかしら」


 市場が賑やかであるのは、人々が買い物を楽しんでいるのはもちろん、どうやら祭りが開催されていたかららしい。しかし、サーカスの動物が逃げ出してしまったせいで、祭りどころではなくなってしまっているのだとか。

 神殿、もとい盗賊ギルドは、その避難者でごった返しており、とても情報を買えるような状況ではないとのこと。この事態を収束させないと、話が進まないようだ。

 逃げ出した動物というのは(遭遇表を振る)〔ウルフ〕が二体。魔物知識判定は知名度止まり。


「狼、それも小型であれば、どうにかできそうですわね。その子たちはどちらに?」

「確か、東の方に行ったとかなんとか……なんだ嬢ちゃん、捕まえにいくのか?」

「えぇ。これでも、腕の自信はそれなりにありますので」


 いくらレベル1PCと言えども、向こうもレベル1であるなら負ける道理はない。実際、あちらの命中と回避が2(9)であるのに対し、こちらは2d+4+1と、固定値に3の差がある。どうにでもできるだろう。

 見事捕まえれば、1000Gもの報酬を頂けるらしいし。一攫千金のチャンス、逃すわけにはいかない。


「それで、東と言うと……先程の道を戻っていけば、出会えますかしら」


 ダイスの結果、亡者亭の方に逃げていったことになったので、そのまま引き返す。ミッション内容的に、今は神殿市場で何かすることはできない、とするのが自然だろうから、各種施設の確認は後ほど。


 ◆ 1日目:16時 イ-B【34:死にたがりの亡者亭】 ◆


 店へ戻る途中の路地裏で、ふと殺気を感じる。魔物か、それとも───(危険感知判定:目標値12/達成値7)


「っ───躾がなってませんわね。逃げ出している時点でお察しですけれど」


 件の狼二匹に不意を突かれる形で戦闘開始に。初戦闘、気合入れていこう。


 †  †  †


 一応ボス戦だし、敵もダイス振るか。不意打ちによって行為判定に-2のペナルティ修正を受けた状態で、敵の行動から。

 特に能力などないので、とにかく牙で噛み付きにかかる。が、ペナルティ込みでも辛うじて回避成功。無傷のままこちらの手番に。

 ウルフの片方を〈ヘビーメイス〉片手持ちで叩く(コロコロ)命中、10点。1個だけだが〈剣のかけら〉が入っており、残りは7点。


 敵の2ラウンド目、これも両方回避。反撃の〈ヘビーメイス〉は今度は空を切る。

 3ラウンド目、一匹は回避、もう一匹は命中自動失敗。返しの一撃で7点与え、かけら入りのウルフを撃破。

 4ラウンド目、ウルフの攻撃は再び回避。反撃で6点与えて残りも6点。

 5ラウンド目、お互い出目9といい勝負だが固定値の差で回避。反撃で止めを刺し、戦闘終了に。


 レベルが低いおかげで、遭遇表も一段下の敵が出てくれるんだなぁ……などと思い出しつつ、剥ぎ取りを。

 ……剥ぎ取りも時間経過あるんだっけ、ヴァイスシティだけは。2.5初のゲームブックだからか、以降の作品とは仕様が結構違うな。

 ともあれ、戦利品は〈狼の皮(20G/赤B)〉ひとつ。今のところアルケミスト技能を取る予定は……無いけど、回復手段を用意しないといけないことを思い出した。

 金銭効率的にはポーションだが、手番消費を考えるとやはり【ヒールスプレー】に軍配が上がるんだよな……しかし、資金繰りがまあまあ厳しかった記憶だけはあるので、どうしたものか。


 †  †  †


「ま、この程度は訳ありませんわね」


 狼二匹を軽く返り討ちにし、縄で縛り上げる。

 後はこれを神殿市場に連れ帰るだけだ。傷も負っていないし、疲労もしていないので、このまま戻ってもいいが……


「気がつけば、もう日が暮れていますわね……せっかく目の前にお店もあることですし、食事を済ませてからでも良いかしら」


 さっきは一銭も落とさずに去ってしまったので、改めて食事をしていくことにして、再び店のドアを開く。

 そしてカウンター席に着き、軽めのメニューをひとつ頼む。一食10Gと非常にリーズナブルではあるが、保存食が七食50G≒一食7Gであることを考えると、僅かにコスパは劣っている。

 イベントやメリットが生まれる訳でもなければ、極貧保存食生活が安定か……という悲しい現実を噛みしめながら、料理の到着を待っていると。


「失礼。貴女は、冒険者ですかな」


 漆黒の礼服を纏った人間の男が隣に座り、話しかけてきた。かと思えば、ツィスカの分のエールまで注文しようとしている。


「お酒は間に合っていますわ。それより、何か御用ですかしら」

「あぁ、これは失礼。私、依頼屋のボルドーと申します。さまざまな筋から請け負った依頼の引き受け先を探していましてね、歩く依頼掲示板だと思って頂ければ」


 いかにも胡散臭い輩だが、金に困っているのは事実。まずは話を聞いてみてから判断することに。


「この辺りに、少々"よろしくないこと"をしてしまった人がいましてね。その方を探して、私のところに連れてきて頂きたいのですよ」

「……何をしでかしたのかは詮索しませんけれど。つまり、憲兵の代わりをしろ、という依頼でよろしくって?」

「まぁ、そんなところです。あるいは、この店のどこかに身を潜めているかもしれません。探してみてはいかがでしょう」


 この男は、どうやら汎用ミッションをランダムに紹介してくれるらしい。今回引いたのは『ミッション26:犯罪者の追跡』。

 犯罪者は、依頼を受注した瞬間は同じパラグラフにいて、それ以降はランダムに移動をし続けるらしい。……追うのかなり面倒だな。ここで遭遇できなかったら諦める感じでいいか。

 発見できるかどうかを決めるべく、情報収集を行う(コロコロ)(6ゾロ)見つけちゃった。ほな追加でもう一戦か……


「店内で荒事は厳禁、ですわよね。店を出たところで、声を掛けましょうか」


 腹ごしらえを終え、しばらく待っていると、ターゲットの男が店を出ていこうとするのを確認。そのまま後を追い、忍び寄って声を掛ける。そして、


「ご機嫌よう。少し、お時間よろしいですかしら」


 などと、明らかな戦闘態勢で発すれば、向こうも事情を察するというもの。

 ウルフ相手では楽しめなかったが、果たしてこいつは満足させてくれるだろうか。……そもそもこいつ誰だろう(コロコロ)〔匪賊の雑兵〕か。初期作PCで相手をするなら、まあこれくらいが適格か。


 †  †  †


 先制判定、流石に平目では厳しい。雑兵の先行となった。

 戦闘開始時点で時刻は19時。夜の時間帯になっており、視界不良によるペナルティ修正が発生するが、それは相手も同じことなので問題なし。

 ……そう言えば、光源問題どうしようかな。デモルラを2に上げれば【デモンズセンス】を使えるようになるが、効果時間を踏まえると、あまりコスパが良いとは言い難い。冒険者レベルが上がって、戦闘や判定が厳しくなるという問題もある。

 おとなしく【ライト】目的でソーサラーか、魔動機文明語の会得も兼ねて【フラッシュライト】のあるマギテックか……まぁ、このへんはまた今度考えよう。


 相手の1ラウンド目、命中は固定値で11。出目6で避けられる値だが、まずは一発もらって5点(HP:15/20)。

 こちらの手番、相手のHPは30、防護点が3。攻撃が当たったとして、期待値で8-3の5点か……先にこちらのHPが尽きる可能性が高そうだし、ここはデモルラ前衛らしく【デモンズアーム】使うか(コロコロ)(自動失敗)だめかも。


 2ラウンド目、今度は回避。こちらは今度こそ【デモンズアーム】を成功させ、打撃点と防護点を+2。

 3ラウンド目、再び攻撃をもらうが、補強しておいたおかげで2点で済む。反撃でようやくメイスを振り下ろし、相手には6点で残り24点。


 ……とまぁ、初期作帯の戦闘なんてだいたい通常攻撃の振り合いなので、今後こういう戦闘はダイジェストにて。


〔4ラウンド目〕

 賊→ツィスカ:回避

 ツィスカ→賊:命中、9点(敵HP:15/30)


〔5ラウンド目〕

 賊→ツィスカ:命中、2点(HP:10/20)

 ツィスカ→賊:命中、6点(敵HP:9/30)


〔6ラウンド目〕

 賊→ツィスカ:回避

 ツィスカ→賊:回避


〔7ラウンド目〕

 賊→ツィスカ:回避

 ツィスカ→賊:命中、9点(敵HP:0/30)


 【デモンズアーム】の強さをかなり実感できる戦闘だった。打撃点と防護点、片方が+2になるだけでも強いところを、両方上げてくれる破格の性能が1レベから使えてしまう召異魔法、やはり最高だ……

 戦利品は……やっておくかぁ(コロコロ)銀貨袋ひとつで50G。無いよりマシか。


 †  †  †


「今日は大漁ですわね、っと……終わりましたわよ。ボルドーさん」

「やぁ、どうもどうも。ところで、きちんと生け捕りにして頂けてますか?」


 ミッション説明をよく読むと、犯罪者が死んでしまっている場合、報酬が半額になってしまうようだ。

 だがまぁ、今回は賊のHPはぴったり0、[剣の加護/運命変転]も残っているので確定で生き残る。次も同じミッションを受ける機会があったら、HP調整を忘れないように気をつけよう。


「大丈夫そう……ですわね。手加減する余裕はありませんでしたので、そのままやってしまっていたらどうしようかと」

「えぇ、まったく。殺してしまうこと自体は、問題無いところなんですが……蘇生で事故が起きてしまうと、少々面倒ですからね」


 なおこの街、蘇生時に稀に魔神の力が発現することがあるらしい。魔神使い的には非常に反応に困る現象である。


「それに……魔神使いとしては、あまり物騒な評判は喜ばしくないでしょう?」

「……そこは別に、気にしていませんわ。そもそも、秩序なんてもの、あってないような街ですもの」


 ついでに言うと、今後もこの調子であるなら、人を殺す機会はなかなか多そうだ。

 魔神使いとしては、例え許される状況であったとしても、あまりキルマークを増やしたくはないものだが。


 なにはともあれ、ミッション完了。★3個と500Gを頂いた。

 このままもう一度食事をしていけば、もう1ミッション受けられる訳だが、流石にやめておく。泊まれる場所を探さないといけないし、ウルフ二匹もまだ神殿市場に送り届けていない。

 ボルドーに別れを告げて、西へと進む。新市街地はともかく、神殿市場に宿屋はあるかな……


 ◆ 1日目:20時 イ-A【56:ミルタバル神殿市場】 ◆


 無事に市場で帰還。祭事担当神官にウルフを引き渡した後、状況の確認などでしばらく話し込むことに(1時間消費)。

 ミッション達成の報酬として★4個と1000Gを頂いた。


「さて、一段落したところで……少し、知りたいことがあるのですけれど」


 改めて、エドワードの居場所と要件について訊ねてみる(さらに1時間消費、現在22時)。素直に教えてもらえるとは微塵も思っていないが、果たして。


「情報をお求めで?でしたら、ギルドの会員になって頂く必要がありますね。そのためには、ヴァイスシティ住民証の提示が必要になりますが」


 情報を得るための入会をするための住民証が……結局いくらするんだよこれ(新市街地のページを読む)トータルで1300Gも持ってかれるの……?追加でひとつ仕事をこなして受け取った報酬が1500Gなのに……??

 ……ていうか、盗賊ギルドに入会するのに住民証って本当に必要なのか?もしかしなくても、裏でちゃんと提携してるんじゃ……


「商売がお上手ですことで……もう遅いですし、日を改めることに致しますわ」


 業界の裏側を垣間見つつ、今後のプランを考える。


 現在時刻は既に22時。そろそろ寝ておかないと、睡眠不足によるペナルティを受けることになってしまう。それだけは避けたい。

 が、市場に宿屋はない模様。神殿に泊めてもらうためには、やはり盗賊ギルドへの入会が必要になる。つまり、今日のところは市街地へ帰るほかなさそうだ。

 亡者亭で道草を食わなければ、丁度0時に宿に辿り着ける。現実で考えるとアウトな気がするが、システム的にはギリギリセーフで6時間睡眠を取れる計算。

 よし、なんとかなるな。それでは─────長々と話した後だが、報酬を受け取った時点で★が7個溜まったので、はじめての精算のお時間に。


 ☆  ☆  ☆


 能力値成長は器用or筋力。器用かぁ……成長で2、専用化と腕輪で4盛れば実質B4になるが、どうだろう。先を見据えすぎか?

 けど、筋力を盛ったところで持ちたい武器はないし、防具はそもそも魔法の制限の関係でこれ以上重たいものを着たくないしな。消去法で器用度を上げるという珍しい事例を起こしていくか。


 技能成長は……どうすっかなぁ。とりあえずスカウト1だけ取っておいて、非自然環境でも探索とか危険感知とか振れるようにしておくか。残りの960点は保留で。


 買い物、はここで済ませようとするとまた一時間掛かってしまうので、市街地に戻るまで我慢。……いやまぁ、情報買うことを考えると、自由に使えるの410Gしかないんで、特に買えそうなものもないんですけど。


 以上、はじめての精算でした。技能は伸ばさないし買い物もないしで、あんまり書き起こすことなかったな。

 それでは、寝床を目指して市場へ戻るとしよう。


 ◆ 1日目:23時 イ-B【34:死にたがりの亡者亭】(移動のみ) ◆

 ◆ 1日目:0時 【固定A:新市街地】 ◆


 ノータイムで〈黄金の盾〉へ駆け込み、ヴァイスシティ証明証を発行してもらう。そのまま客室のチェックインも済ませ、これで今日の目的はコンプリート。

 寝る前にやることは……ないかな。そのままベッドインして、本日は終了。

 次回、二日目の朝から。

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