第47話

☆☆☆




それから、私の意識はぼやけていった。眠るのかしら。人形も眠るの?


目は開いたまま、私はぼんやりと聞いていた。

ユアンがどこかへ行く。マクシミリアンさんのところ?

ヴェリルのところへ行くのかも。私を助けに。私はこのままでいいのに。


「リゼル、一分間の夢は、けっこう長かっただろう?」


「彼女はまだ酔っていますよ、自分の夢に」


「女の子はナルシストで困るね」


そばで、ヴェリルとマクシミリアンさんの声がする。


「リリアナは、私たちにも挨拶にきてくれたのだよ。そのときに、君とユアンのことを心配していた。間違った道を進まないように、気を配ってあげてくれと言われたんだよ」


ヴェリルは私の頭をそっとなでて、穏やかな声で続けた。


「この姿はそんなにいいかい? 人として、ユアンと一緒に生きていくほうが何倍もいいと思うけどね」


今度はマクシミリアンさんが、説明するように話し出した。


「私が預かった、リゼルさんの中にある、ユアンが盗んだ時間ーー約一分ですけれどね、それを、使わせてもらったんですよ。ヴェリルさんがどうしてもユアンにおしおきをしたいと言うので、リゼルさんにも協力してもらったんです。あなたも、危険な考えをお持ちのようでしたのでね」


彼らは、私とユアンの二人に、軽いおしおきをしたのだと言った。

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