9 異世界へ
第29話
9 異世界へ
「みんなを巻きこんでしまって、すまないね」
ヴェリルは「すまない」と言いながら、そうは思ってもいないような態度で私たちをちらりと見た。
マクシミリアンさんとリビアンは、まったくわけがわからないに違いない。それでも、二人とも神妙な顔をして、この状況を受け入れていた。
「ええと……ここは、ユアンのいた世界ということでしょうか」
と、マクシミリアンさん。
「現在じゃない。過去……?」
と、リビアン。
二人とも、順応性ありすぎる!
私たちは、牧歌的な風景の中にいた。
黄色やピンクの小花が咲き乱れる野原が、ずっと向こうまで続いている。もっと遠くには白い点々が。もしかして、羊かな?
山が迫ってくるようだ。
森の緑が深い。
キラキラと輝いているのは、海のようだった。
知らない場所の知らない景色は、夢を見ているかのように、くるくると変わっていく。
私たちはいつのまにか、墓地にいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます