第27話
「ああ、ローズクォーツもいいな。何か、アクセサリーとかありますか?」
後半のは、店長さんに向けられた言葉だ。
「彼はルチルさんの息子なの。私に伝言と、買い物があるって言うので、一緒にきたのよ」
ユアンはすぐに奥へ引っこんでしまった。きっとお茶の用意でもするのだろう。でも、少しくらいやきもちをやいてくれてもいいのに。
「お母さんのおつかいですか?」
「いえ。友達へのプレゼントを探しにきたんです。誕生日プレゼント」
「彼女?」
「友達ですよ。もらったから、お返しに」
リビアンと店長さんは話しながら、店内を物色しはじめた。
あの夢の男の子は、リビアンではなかったようだ。夢なのだから、現実にはいない人だったのかもしれない。
私はリリアナのところへ行き、顔をのぞきこんで、小声で話しかけてみた。
「リリアナ、こんにちは。あなたは……どうしてお人形になったの? なりたいと思って、なれるもの? あなたは、若くして亡くなったのかしら。あなたとシンクロしても、あなたになっているから、あなたがどんな外見をしているのかはわからないのよ」
お人形と同じ姿なのだろうか。視界に入る髪は、銀色だったような気がする。それなら、やっぱり目の色はエメラルドに違いないわね。
私の髪の毛は黒だ。目の色はブルー。それは気に入っているけれど、リリアナのような外見もステキだと思う。
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