第26話

私たちは一緒に『虹色の羽』へ行き、マクシミリアンさんとユアンに迎えられた。


「いらっしゃいませ。学校のお友達……ですか?」


リビアンが中学生だとわかったのか、店長さんは首をかしげて瞳で私に聞いてきた。

その横で、ユアンが営業スマイルを浮かべている。


「リゼルのボーイフレンド?」


「違うわ! ……意地悪ね」


ちょっと悔しく思いながら否定したけれど、リビアンは冷静に割って入ってきた。


「友達と言ってもいいんじゃないかな。さっき、同じ体験をしたんだし、ここまで一緒にきたんだし」


店長さんが不思議そうに「同じ体験?」と聞き返してきた。


このときに突然、あの夢を思い出した。砂粒のようなローズクォーツ。あれを渡してきたのは、もしかしてリビアン……?


「リビアン! ローズクォーツのこと、覚えてる?」


彼はローズクォーツという石のことは知っているけれど、それが何? とでも言うような顔をして、首をかしげた。

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