第21話

「公園で、歳の近い男の子と一緒にいるのを見たんだ。彼女には、あのくらいの年齢の男の子が似合う」


リビアンのことだ。ルチルさんも一緒にいたのにーーユアンは、まだルチルさんに会っていなかったわ。


「似合ってるなって、思ったんだ。でも……なんだろう……ちょっと、もやもやして……」


ユアンはお兄さんと話しているのに、相手の声は聞こえなかった。


お兄さんて、どんな人? ユアンはどんな表情をしているの?


私は静かに葉と葉の間から、向こうをのぞこうとした。


「それは、やきもちなんじゃないのかな?」


突然、ヴェリルが声を出したので、私はびっくりして振り返った。


「やっぱり、そうなのかな……?」


ユアンはヴェリルに答えている。その意味を嬉しく思いながら、私はヴェリルの姿に驚いて目をぱちぱちとさせた。


ヴェリルが、大人になっていた。ユアンと同じくらいの、大人の男性に。

声も大人のものに変わっていたけれど、にこにことしている様子は愛嬌があって、可愛らしい。

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