7 夢の中へ
第18話
7 夢の中へ
翌日、いつもの公園で、私はルチルさんと会い、昨日黙って帰ってしまったことをあやまった。
「別にいいわよ。特に問題はなかったんでしょ?」
「問題?」
「困るようなこと。というか、何かいいことがあったみたいね」
すごいな。なんだってわかっちゃうんだ。
「いいことかどうかは……なんとも言えないんだけどね」
私はユアンにプロポーズしたことを話した。
「ええっ!? 告白をすっとばして、いきなりプロポーズ!?」
そういえば、私はユアンに好きだとは、言っていない……のかな?
リリアナと一緒にいたいなら私と結婚して、なんてーー。
伝わってない? ただ提案をしただけになってる?
「それは伝わっているでしょう。大人なんだから、そこまで鈍くはないでしょうよ」
「そこなのよねえ。ユアンは大人で、私は子ども。どうやってもこの差はちぢまないわ」
「今はしょうがないわよ。あと五年……六年後は、リゼルは十八でしょ。ユアンは三十くらい? リゼルが二十歳、ユアン三十ニ歳……うん、いいと思うわよ」
「ほんと? 問題は、それまでユアンが待っていてくれるかってことよね」
「そこはまあ、彼は大人だからねえ。なんとも言えないわねえ」
「そんな~!」
「リゼルも同世代の男の子とつきあったら? たとえば……、ほら、あの男の子なんかどうかしら?」
ルチルさんは、こっちに向かって歩いてくる男の子を指さした。
中学生くらいの男の子は少しムッとした表情で、まっすぐに私たちのほうを目指してくる。
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