第4話はじめまして。

「入れ、」


・・・ガタ、扉が開かれる。


「・・・おお、これが魔王様のお子様ですか、、、なんとまぁ、魔王様に似て膨大な魔力を感じますなぁ。」


魔王城の魔王室に入って来たのは、身長が僕と同じくらい、腰はとても曲がっていて、杖をついていて、髭が床につくほど長い老人だった。


「カイにはまだ紹介してなかった。・・・こいつは、魔王軍第一幹部、ユメミルだ。魔王国で二番目に強い。」


「まあまあ、・・これは、魔王様。丁寧なご説明をありがとうございます。」


「今日は、カイとの顔合わせだからな。」


今日は、先代魔王が、魔王軍幹部とか、弟とかを紹介する。と言ってた。


これから戦争が始まるにつれ、お前も知っておくのは当然だろう。とのことだ。


まず魔王軍幹部。幹部は第一幹部から第五幹部まで、5人いて、その誰もが強力な力を宿しているらしい。その中の1人目、が魔王国で先代魔王の次に強い、ユメミル。悪魔系の魔法使いで、他者の夢に干渉できる力があるらしい。


「そして次だ、二人目、魔王軍第二幹部、ネギル。こいつは、バリバリの武闘家で、物理攻撃なら、魔王国一番だ。」


「ここにいる?」


「いや、いない。ネギルからゴイスまで、第二〜第五の幹部は今日来れないみたいだ。」


「なら、いるときでいいよ。」


先代魔王は、この世界で僕のお父さんなので、ある程度の口のきき方は大丈夫。だと思う。


「・・・そうか、わかった。」


「魔王様、今日は、弟様が来ておられるのでは?」


ユメミルがそう聞いた。


「あぁ、そうだな。おい、おまえら!」


「はい!!」


それまで静かに僕らを見つめていた、魔王の妻(?)たちが返事をした。


「我の弟が魔王城の近くで待っている。ここまで連れてこい。」


「わかりました!」


そして女性たちは、部屋から飛び出して先代魔王の弟を迎えに行った。


「弟がいるの?」


「・・・あぁ、あいにく攻撃適性はなく、魔王軍の軍師的な役割をしている。その才能はぴかいちだ。」


「魔王様と弟様は双子ですから、最強の魔王様と、魔王様とは違い知能に優れた弟様ということで、とてもバランスがいいですね。」


「それはとう回しに我を馬鹿にしているのか?」


「いえいえ、・・・そんなことは。」


「まぁいいだろう。」


先代魔王と、ユメミルの話しているところを見る限り、結構仲が良さそうだ。


コン、コン、コン


ドアのノック音が聞こえた。


「入れ。」


先代魔王は言う。


ガタ、


「兄様。ただいま参りました。ユメミル、久しぶりだね。そして、兄様の子供かな?昔の僕たちにそっくりだ。よろしくね。」


容姿は魔王と、よく似ているが、口周りに髭がはえてなく、髪も整えられている。そしてすごい礼儀正しい。


「よ、よろしくお願いします。」


「あぁ、いい子だ。」


「よく来た、お前と会うのは久しぶりだな。」


「そうだね、兄様。」


「我の言ったことは当たっていたか?」


「うん、第二幹部のネギルがマームで、探ってる。マームは、農民や、子供にも武器を持たせて、総力戦でくるらしい。」


「やはりそうか、ならばこちらも戦力の補強をしなければならない。そこで、だ。お前は、ユメミルと一緒にカイに魔法を教えてあげてくれないか?」


ユメミルが来た時に、魔王様に似て、膨大な魔力を感じるって言ってた。僕には何か力があるのかな。


「別に構わないよ。」


「おっほっほ、私も構いませんよ。」


「よし、カイ、お前にはわりかし強力な、魔力適性がある。明日から教えてもらえ。」


「・・・わかった。」


「ん?何か不満か?」


「いや、大丈夫だよ。」


「そうか。」


僕がすごい魔法が使えるようになったら僕も魔王とはいえ、戦うことになるだろう。僕はそういうのと今まで無縁だったから、少し怖い。本当は勇者に転生したかったんだけどなぁ。まぁ、今のとこ魔王生活も悪くないし、ちょっと頑張ってみるか。


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