第5話魔法への道。
「公な場所では、魔王様って呼ぶけど、こういうところでは、カイくん?でいいかな。」
「あ、はい。それで大丈夫です。」
「なんだかまだ初々しいね。」
そりゃ当然だ。
「最初に魔法についての説明だけど、基本属性は、火、水、風の3つだ。」
「他に、他者に干渉できる力や、時間停止、巻き戻しなどがありますぞ。他にもいろいろありますが。カイ坊は基本魔法のほうがつかえると思いますがな。」
「・・・カイ坊?」
「ホッホッホ。私からするとあなた様などまだまだかわいい坊やですのでな。」
なんとなくだけど、ユメミルは見た目的に魔王より長く行きてそうな感じだ。
「僕は前に話した通り、魔法適性が全くなく、恥ずかしながら魔法が使えないんだ。」
「ですが、弟様は勉強熱心で、魔法は使えませんが、知識は私より全然ありますよ。」
「とりあえずやってみようか。兄様の子供だから、多少やっただけでとんでもないことになるだろうけど。」
魔王はどんだけ強いんだ?
「わ、わかりました。」
「あの木を爆発させてみようか。じゃあまずは、ユメミル。お手本を見せてあげて。」
弟さんは、魔王城の庭にはえている木を、窓ごしに指差してそう言った。
「わかりました。・・・消え去れ!!」
ユメミルは、聞いたことないほど力強い声でそう言った。そうすると標的にされていた木は、一瞬にして、粉々になってしまった。
「今のは簡単な風属性の魔法だよ。ユメミルは、だいぶ抑えてあれだからね。僕からすると羨ましい限りだよ。」
だいぶ抑えてあれなのか。魔王国、恐ろしい。
「じゃあ次はカイくんの番だよ。ユメミル木を戻してくれ。」
ユメミルが手を前に出し、「戻れ。」というと木は爆発する前に戻った。
「まずは、あの木が爆発する様子を頭の中で思い描くんだ。そしてそれが頭の中で定まったら、何か言葉を言う。まぁ、説明じゃ分かりにくいからやってみよう!」
僕は少し苦い顔をしながらも言われたとおりにやってみる。さっきユメミルが木を爆発させた時の事を思い浮かべて、今度は僕が爆発させる。セリフをいうと、木が粉々になる。
できた!
「消え去れ!!」
・・・・・・爆発・・・しない?
少し木を眺めていた。だけど、何もおきない。
「・・・うーん、どうしたものですかな。何もおきませんぞ。」
「そうだね。だけどカイくんには、魔法適性がないわけではないよ。じゃあなんでだろう、これは僕にもわからないな。」
3者頭の中で?マークが浮かんでいる。
その時だった。
バッッッガァン!!!
とてつもなくでかい音がなった。
「どうした!?」
仕事があると、この場を離れていた先代魔王が部屋に飛び込んできた。音は、外からだ。
「・・・ホッホ、これは驚きましたな。」
ユメミルが外を見ながらそう言ったので、僕たちも外を見た。そしたら
「木がない!?」
魔王城の周りには、たくさんの木がはえている。そのどれもが爆発したらしく、粉々になっていた。
「これは、カイの魔法だな。魔法の気配でわかる。我と限りなく似た、だが我と違う。」
「カイくんが大物になる予感はピンピンしているけど、まさかここまでとはね。」
みんな僕に一目置いていた。僕はもしやとんでもないことをやらかしてしまったのではないか。
「カイ、我の魔法で少し成長させたとはいえ、肉体も精神もまだまだだ。お前は、魔王国で一番の魔法使いになるかもしれない。だが、」
「ホッホッホ。」
「カイくん。君はものすごく不器用だ。」
「え?」
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