面倒事

「俺を…殺す…?だめに決まってるだろ何当たり前の事言ってんだ」

「ま…だろうな。」

「…例え俺が死んだとしても、家族が帰ってきてお前は殺されるだけだ」

「…そうだな。はぁ面倒なことになった…本当ならお前のことを軽く探る気持でここに来たのになぁ…」

「はっ、考えが甘かったな!」

「お前も自分の命のこと考えてなかっただろうが」

「それはまぁ…いいじゃん」

「よくはねえだろ…

いいか?人間の命は短ぇし脆い。だからこその命だ。考えなしに敵を家に招くようなことはすんじゃねぇ。いいな?」

「…」

「…なんだよ」

「鬼なのになんでそんな人間を語ってるんだよ」

「俺目線の話だから気にすんじゃねぇよ」

「なぁ…早く目的を言えよ」

「…はぁ…仕方ねぇなあ…

俺の嫁探してんだよ」

「よ…嫁?既婚者が…なんで学校に…怖い」

「だから今からそれ話すんだろって……

俺の嫁、今行方不明なんだよ。」

「なんで?」

「だから黙ってろって…

あいつは結構自由な性格でな、ふらって消えてふらって帰ってくるんだよ。でもあいつ、数十年帰ってきてねぇんだよ」

「え…逃げられた?」

「違ぇっ……て否定したいよ俺も!」

「でもじゃあなんで学校に?」

「いやまぁ…それは…一定の年数たったらそこにいづらくなるし…俺見た目結構若いから学生と社会人交互にやってんだよ」

「鬼も大変だな…」

「それを殺してきたのがお前らだろちょっとは同情しろよ」

「ごめんそれは無理だ」

「クソが…」

「…」


鬼…初めて見たけど世界から消さないといけない存在なのかな…いや…でもなぁ…


「…お前、俺に手を貸してくれないか?」

「はぁ!?何いってんだよ急に嫌に決まってる!!」

「…俺は、人間の命は取らないって決めてんだよ」

「…」


人間の命か…こいつにとってはどのくらい重い言葉なんだろうな…


「条件、これを飲めば協力してやらんこともない」

「…言えよ」

「1、人間を殺さないこと。2、俺の家族に見つからないこと。3、俺が成人するまで殺されないこと。最低限この3つは守ってほしい。」

「…そんなことでいいのか?」

「…これから増えるカモ…」

「…まあそんときゃそんときだ!じゃあそれで手を打とう!ありがとう、綾目。」

「…はぁ…面倒事を今引き受けた気がする」

「今気づいたのかよw」

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