はじめまして俺は鬼です

「じゃーなー!」

「気を付けて帰ってなー!じゃあ行こうか、綾目クン」

「あ、あす………」

「ん?二人きりになって緊張しちゃった?大丈夫別に取って食ったりしないよ」


逆に不安になるんだけど?

いや…これはチャンスだ!この鬼を俺の家に招こう!そして家の中で拘束して父さん、兄さんが帰ってきたら討伐してもらおう。


「ね、ねえ菊池くん」

「透也でいいってば」

「…透也くん、よ…よかったらうち来ない?」

「…いいのかい?」 

「も、もちろんだよ…」

「…じゃあ、お言葉に甘えて…」


よっしゃ誘えた!これで俺の勝ちだ!


「…ふ」


____________________

「へぇ、ここが綾目クンの家かぁ…和風だね」

「さあ入ってよ。中は綺麗にしてるから」

「…ごめん、ちょっといい?」 

「ん?どうかした?」

「…この匂い…もしかして、柊?」

「!そ、そうなんだ。母さんが好きでさぁ…もしかして…嫌いだったり?」

「…うん、俺花がアレルギーで敏感なんだ…」

「そ、そうだったんだ!じゃあちょっとどけるね。ごめんごめん。先に中には入っててよ。」

「わかった、ありがとう。」


よしよし、中には入ったな?残念、この柊は特別なやつで結界にもなるんだ。だからお前はもう出られない!うまくいったら俺が討伐しちゃおうかな…

えっへへ、そしたら父さん認めてくれるかなぁ……


「あ、そこら辺に座っといて。麦茶しかないからそれでいい?」

「ありがとう。」

「はい、どうぞ」

「……柊家って、結構小さいんだな。」

「!?」

「お前、末裔だろ?見たらわからぁ…なんだったか…確か規則で未成年は鬼を討伐できねえんだっけか?」

「…やっぱりか、お前。」

「はじめまして、俺は鬼です。どうぞよろしく」

「…なんで今名乗った。どうして学校にいる。何が目的だ」

「…なるほど、俺はここから出られない。だからそっちが有利ってわけだ」

「自分の立場を理解しているならさっさと質問に…」

「だが、俺は今、お前を殺せるぜ?」

「…あ、そうだった。なぁ…これ食べてくんない?」

「なんだよそれ俺を眠らせてその間に拘束か?断るに決まってんだろ」

「いや、これは毒が入ってる」

「なおさら嫌だわ!」

「チッ…手強い…」

「お前に問題があるんじゃねぇのかそれは?」

「まあ確かに国語の文章問題は苦手だけど…」

「そういう問題か…?」

「いいから答えてくれよ!お前何してんだよ!人間社会で!!」

「…正直に言ったら、俺を殺さないでくれるのか?」

「それは…」

「まぁお前にゃやられる自信がねぇがな」

「お前俺を煽らないと生きていけないのか?」

「じゃあ言い方を変える…俺がさっきの質問全部答えたら、お前を殺していいか?」

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