菊池透也という名の男

どういうことだ…?何で鬼がここにいるんだよ…


「ん?」


まずいこっち見た!俺が柊家だってバレてないよな…バレたらすぐに殺される…逃げなくては…


「綾目どしたん?ましかして知り合いだったり?」


ちげーよ馬鹿!ってクッソ言いてー!


「ねえ、君らさぁ…」


まずいこっち来る!でも今逃げたら100%バレる!

どうしよう兄さんに連絡するか?いやそしたらバレるんだって!!


「やっほーお前もしかして転校生の?」


何話しかけてんだー!!!!!!!!


「そーそー、俺、菊池透也。これからヨロシクな」

「俺、日村大翔!…綾目?何固まってんの?」

「ん?もしかしてこの人、人見知りだったり?」

「んー…人見知りっていうよりどちらかといえば最初は人を警戒するタイプだったはずだぜ」

「ふぅーん…綾目…クン?よろしくな」

「………よ、よろしく…」


俺は何で返事してんだよー!!

これ父さんに言ったら殺されるかもしれない…


「ねー透也?くんつけたほうがいい?」

「別に呼び捨てでいいよ。綾目クンもさ」

「…俺は別にいいよ…」


なんでこの鬼平然としてんだよー慣れてるのかこういうの!?帰りたい…


「綾目クンさぁ…名字、何て言うの?」


あ、やべえこれ答えたらワンチャンバレる


「こいつは柊って名前だよ。木って書いて冬ってやつ」


だから何でお前は俺のこと言うんだよ〜〜〜!!!

そろそろ真面目に帰ろうかな…


「柊、ねぇ…」

「…」

「なんかかっこいい名前じゃん!」

「…へ?」

「それ俺も思うーなんかいいよなー柊って。響きが俺好き」

「…別に、普通でしょ…」


危ねえ耐えたー!…のかな?本当にわかんない頭バグる!


「ねえ、よければ放課後一緒に帰ろうよ。俺ここに越してきたばかりだからよくわかんなくてさぁ…」

「いいぜ帰ろ帰ろー!!綾目もな!」

「え…いや俺はちょっと…」

「あ、そういや俺今日バイトだから急いで帰らないとなんだった…てことで二人で帰ってごめんな…」

「いいよ別に!俺も、ちょっと綾目クンに聞きたいことあったし…」


はい!終わりました!俺の人生おしまいです!


「楽しみだなぁ…」


俺を殺すのが!?

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