第14話 隠されていた潜在能力
私もあと数日で16歳になるという頃…。
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愁先輩が誕生日前日に吸血鬼に目覚め…私の血を啜った。先輩いわく…魅惑の血だったという。処女とか関係なく、美味で忘れられそうにない味だったって。
私と愁先輩は結ばれた。
あの一晩で、私は何度も愁先輩と繋がり…痛みを超えて快楽を取得した。
それからというもの…毎日のように図書館で時間が許す限り体を繋げている。
「先輩…もう…無理です。これ以上は…体…もたない…」
若い男の人って皆そうなのかな…?って思うくらい、愁先輩の性欲は底を知らない。
いや…性欲があっても、体力が伴わなかったら無理な話。
だけど、その体力を愁先輩は損なわないのだ。正直コッチの身がもたない。
「先輩…タフ過ぎませんか?」
「ん?ね、俺もビックリ」
服を羽織って座り込む私。足がガクガクして立てないでいた。
「多分、吸血鬼の血のせいかもしれない。凄い、体が身軽でさ…人間離れした力を抑えてる状態なんだよね…。もう…本当に人間じゃないんだなって…」
「…そうなんですね…」
見た目は特に変わっていないのに…。
でも一つだけ知ってる。抑えている吸血鬼の本性を見せた時は瞳の色が変わるって事を。
「更に、人間の時よりも性欲強くなったかも。いや…菜月だからか?回復力ハンパない」
それに関しては苦笑いだ。良いのか…悪いのか…。
愁先輩が吸血鬼として目覚めた事は、周囲も承知らしく…これまで、愁先輩を認めていなかった同族の人達も態度が変わったという。
例え純血でなくても、人間と吸血鬼とでは話が変わってくるそうで…愁先輩が思っていた以上に、愁先輩の潜在能力が純血に近いそうだ。
純血とそうでない人の違いって何?と、疑問に思って聞いてみた。
まず、パワーが違うと言った。例えて言うのなら、リンゴを簡単に割れるか割れないか…そんな感じらしい。
あと、超能力みたいなものが使えるらしく…純血の吸血鬼なら、私なんて本当なら簡単に血を奪われていると言われた。
だけど、それを理事長が禁止しているんだそうだ。
愁先輩がそれに近い能力を保持している事を察してる吸血鬼たちは…かなり警戒しているらしい。
「愁先輩ってそういえば…お母さんの事、本当に何も知らないの?少しも?」
「全く」
「お父さんは…どれくらい生きているの?」
よくよく考えると知らない事ばかり。純血が長生きなら、子孫とか多そうなイメージなんだけど…。
「父さんの兄弟は、実は半血が多くて…父さんは純血の中で一番目に生まれたらしいんだよね。その次が葉月のオバサン。
父さんは300年生きてて、容姿を60代をキープしているけど、オバサンは250年で40代キープしてる。祖父が30代キープって笑えるよな。
まぁ、純血の吸血鬼は老けるスピードが遅いってのもあるけどね」
「それって…私が50歳くらいになっても、先輩は20代な容姿って事?」
(何かズルい…)
愁先輩はフッと笑った。
「俺は、純血じゃないハズだから」
「そんなの…わからないでしょ?お母さんの事知らないなら。お父さんに聞かないの?」
「んー…考えた事なかったな…。母親に興味なかったし…自分は人間だって思ってたから」
(本当に興味ないのかな…?)
愁先輩の意識は微妙にココにはなかった。
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