第8話 女癖の真実
「…蓮は…吸血鬼の本能のまま…処女の…乙女の血が好きなんだよね」
夕映先輩が語った真実。
事の始まりは、蓮先輩が13歳の頃。本格的に目覚めた吸血行為。
一度も血を口にしていない吸血鬼は抑制する力が働き、血を含まなくても意外と平気らしい。
ただ、蓮先輩は…その年に血に目覚めてしまったという。
同級生が流した血が…偶然、蓮先輩の手に触れ…興味本位で舐めてしまった。
それが原因…。
蓮先輩は血を覚え好み…血を求めるようになってしまったそうだ。
そして色んな血の味を知ってしまったとか。
初めて付き合った彼女の血を啜り…その味にハマっていたらしく何度も口にしていたらしく。
一線を越えてしまった途端、味が変わってしまったそうで…自分の好みは【処女】だと15歳の頃に悟ったそうだ。
(そもそも経験、早くない?そんなもの?)
それからは処女の血を好んで、男性経験のない女のコと交際をするようになったらしい。
(この年齢ならかなりいるよね…)
ただ…血に溺れすぎて…限度なく口にする事が多く…女の子は瀕死の状態にまで追い込まれていたそうだ。
意識不明…仮死…。
蓮先輩は血を求め…処女の子をその容姿で魅惑し
だから…愁先輩は、蓮先輩のターゲットになりそうな女の子達を守る為、軽薄な男のフリをした。
とにかく血を変化させる為だけに女の子の処女を奪ってきたそうだ。
(それって…何だか複雑…)
そこには愛情がないのに…ただ義務のように体を交えるなんて…。
そんな愁先輩を知ると…私の中で疑問に思う。愁先輩が私を守ってくれようとしてる理由。
(正直、守る理由なんてないじゃない?傍観してても構わない立場なんだから)
「やっぱり、同情なのかな?」
血のせいだけで、吸血鬼達に狙われる私への。端から見ると、哀れな存在になるよね?私って。
(どうして、私を守ろうとしてくれるんだろ)
嬉しいけど…勘違いしそうになる。
だって、恋愛感情抜きで女の子を蓮先輩から守る為だけに抱ける人だよ?私の事だって…。
隣で居眠りしている愁先輩をチラリと見る。
「愁先輩にとって私って…」
(私は…?私にとって愁先輩は…?)
「一体、何人の女の子とそんなコトしちゃってるんですか?」
守られていただろう女の子達が、ちょっと憎い。これは、嫉妬だろうか?
普通なら、
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