「……あ……」

そこに立っていたのは、愛亜だった。

「びっくりしたわ」

愛亜が少し呆れたように言う。

「愛亜……」

俺は愛亜の名前を呼ぶと

愛亜が少し表情を緩めた。

「なぁ……」

俺は言葉を絞り出すように、口を開く。

「ん?」

「もしもの話だが」

「……何よ」

「好きな人が居たらお前は告白するか?」

「……」

愛亜が少し黙る。

「……アンタは、どうしたいの?」

「……」

愛亜と俺はしばらく黙り込んでいたが

「そんなの……」

と愛亜が小さな声で言った後

「……そんなの決まってるでしょ……」

と言った。

愛亜は少し顔を赤くしている。

「……そっか…」

俺は短く返事をした。

それから俺は

「愛亜、相談してもいいかな……?」

と訊いた。

愛亜は一瞬驚いたような表情をしたが

すぐに真剣な顔つきになり

「えぇ、いいわよ」

と答える。

俺は愛亜に自分の気持ちを話した。

話を聞き終わると

「なるほどね…ま、そうだと思ったわ……で?」

と愛亜が言った。

俺は

「……どうすれば良いと思う……?」

と訊く。

「そんなの……」

愛亜が

「決まってるでしょ!」

と答える。

俺はその勢いに気圧されつつも

「……そうか…」

と小さく呟いた。

愛亜は

「何よ!その顔は!」

と怒鳴る。

俺は

「いや、分かったよ…ありがとう……」

と愛亜に礼を言う。

愛亜が少し顔を赤らめる。

「…んー!もういいから!さっさと帰る!」

と愛亜が照れ隠しに怒鳴ったので

「……あぁ……」

と少し笑いながら立ち上がった。

いつもの場所で愛亜と別れ家に着くと

自宅の前に結梨が立っていた。

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